第162回通常国会

2005年3月28日 決算委員会



(1)まだ続く公共事業の「大盤振る舞い」
(2)重複・過剰投資の空港工事計画
(3)極めて甘い関西空港の利用増加の予測
(4)空港絡みでもあるトンネル会社への税の垂れ流し
(5)4大空港は独立採算制にして特別会計への依存を断ち切るべき
(6)衛星計画に流用された空港整備特別会計


○又市征治君
 社民党の又市です。
 私は、特別会計の改革について一貫して取り上げてまいったわけですが、一昨年十一月、財政審の小委員会の答申が出まして、財務省もようやく昨年から改革に乗り出しておりますけれども、量的にはまだ微々たるものだと、こう言わざるを得ないわけです。
 そうした中で、小泉総理があれだけラッパを吹いた道路関係四公団の改革も、私たちから見れば竜頭蛇尾に終わった、こう言わざるを得ないわけですが、今年の予算でも、公共事業は表面の金額は抑制をしても、構造的には計画レベルも含めてやはり大盤振る舞いが続いているんではないか、こう思います。今ほども出ました関西空港の第二期工事が正にその典型だろうと思うわけです。
 そこで、今日はこの五大公共事業特別会計の一つである空港整備特別会計について質問をしたいと思うわけです。
 この特別会計は、二〇〇三年度決算では歳入が五千五十五億円でありまして、一般会計からの繰入れが二種類あって、航空機燃料税から八百六十四億円、純粋一般財源が九百二十三億円となっています。なお、借入金残高は依然九千七百億円余り、大変巨額でありまして、事業関係の特会のうち実質三番目ぐらいに多い、こういう実情にあると思います。
 支出で見逃せないのが今ほど出ました関西空港会社への出資金二百六十六億円、同じく補給金の九十億円なわけですが、この部分は以前は成田空港会社へ、そしてまた今後は中部会社へ出資金であるとか補給金という形でずっと連続している、こういう実態にあるわけで、また投資による借金が多いから、当然に国債の償還も一千五十二億円で、この特会歳出の二二%を占めると、大変高い比率を占めているわけです。
 空港造りの財政というのは道路整備と同様で、プール制で行われていることが空港の乱造と赤字共倒れをもたらしているという、こういう意見が、あの例の有名な猪瀬さんを始め、多く聞かれるわけであります。ただ、私は、過疎地の空港がすべて採算可能でなければならないとはもちろん思いません。むしろ、過疎地住民の交通アクセス権、これを確保するために公費助成してでも存続すべきものはある、こんなふうに思うわけですが、しかし今出された関空二期工事と伊丹と神戸新空港計画、これは来年の春開港予定だというふうにお聞きをしますが、この関係は私は完全に、この院の中でも随分と指摘がありますように、重複であり過剰投資だ、こう言わざるを得ないわけです。

 そこで、質問に移りますけれども、例えば、今ほども出ていましたが、私、それを含めて、もう一歩突っ込んでお聞きをしますが、例えば関空の予測は四年後に一・四倍ということですけれども、これが本当に実現するというふうにあなた方は見ておられるのかどうか。これがまず第一点。
 第二点目に、仮に関空だけ一・四倍というのが増えたとしても、伊丹と神戸新空港と合算した場合の見通しは一体どうなのか。これが二点目。
 三点目に、伊丹の存続は地元の要望だというわけですけれども、では騒音・環境対策費は削っていくという考え方なのか。元々は関空そのものが、伊丹の公害対策上沖合に造るんだ、伊丹は閉鎖するということの考えでスタートした、こう思っているわけですが、そうすると、この騒音・環境対策費というのは削っていくという考え方なのかどうか。
 四番目に、また成田の拡張であるとか羽田の国際線枠新設で関空は国際線需要を奪われる、これはいろんな専門家たちが言っていますね。それは見込んでいるのかどうか。それでもなおかつ一・四倍というふうになるのかどうか。
 以上について簡潔、明快にお答えください。

○政府参考人(岩崎貞二君=国土交通省航空局長)
 まず、一点目の関西国際空港の需要予測でございますけれども、先ほど大臣が答弁させていただきましたとおり、国際線の順調な回復、それから関西圏における伊丹、神戸空港の役割分担を明確化したことに伴う伊丹空港への運用の見直しによる関空へのシフト、それからこの三月から来ておりますスカイマークが羽田―関空便が就航をしております。こうした要因、それからマイナス要因としての中部空港、神戸空港の供用開始、こうしたものを考慮、個別に精査をいたしまして、この関西国際空港の二〇〇七年の需要予測をおおむね十三万回だと、このようにしたものでございます。私どもこの予測は十分達成できるものと、このように思っているところでございます。
 それから全体でございますけれども、関西圏の空港利用、これは社会資本整備計画でやっておるものでございますけれども、関西圏でも国内線の需要というのが二〇〇〇年、二千三百六十万人でございましたけれども、二〇〇七年、二〇一二年と順調に伸びていくものと、このように見込んでおります。
 その中で、まず神戸空港につきましては、二万回という容量制約がございますので、この二万回という容量制約の中で約三百三十万人の方が御利用されると、このように見込んでおるところでございます。残りの、この中での関空と伊丹との分担でございますけれども、当然伊丹から関空にシフトすると言っておりますので、今伊丹空港、平成十六年で十二・七万回でございますけれども、このうちの先ほど申しました伊丹のジェット枠を二十五便削減すると、こういうことでございます。そのうちの一定部分が関西空港に移ってくると予想しております。その分につきましては、伊丹空港約一・三万回ぐらいでございますけれども、減るんだろうと思っておりますが。
 ただ、このジェット枠の削減の部分は、ジェット機を飛ばさないでください、プロペラ機なら結構ですよと。あるいはプロペラ機とほぼ同程度の騒音であります百人程度以下の小型のジェット機であればプロペラ機と同じような騒音でございますので、こういうものは構いませんよということを言っておりますので、順次そういうものに代替されると思っておりまして、伊丹空港も十二・七万回から、関空にシフトする分がございますけれども、またそういうプロペラ機を活用して近距離に飛ぶということは考えられますので、おおむね十三万回前後にまたなってくるだろうと、こんなふうに思っているところでございます。
 それから、三点目の伊丹の騒音対策費でございますけれども、今申し上げましたジェット枠は五十便削減するということと併せまして、特にやっぱりジェット機でうるさいのは二発のエンジンを持っているジェット機よりも、今のジャンボジェット機でありますとか、DC10でありますとか四発、三発のエンジンを持っている飛行機が非常に一機ごとの騒音が大きゅうございます。こうした高騒音機材についても併せて伊丹から順次撤退していってくださいと、同じジェット枠二百五十を二百にしますけれども、二百の中でできるだけ低騒音のジェット機にしてくださいと、このようなことを決定をしているところでございます。
 これに伴いまして環境対策をやる地域、範囲なんかが狭まってくる、このように思っておりまして、そうしたことを踏まえながら、今環境対策事業費、年間百億弱、八十億強使っておりますけれども、これを順次削減をしてきたいと思っております。今後十五年で大体年間平均いたしますと約半減する、四、五十億ぐらいのものに持っていくということを計画をしているところでございます。
 それから、最後でございますけれども、成田空港、二千百八十メートルでございます。これを二千五百にするとか、あるいは羽田の再拡張とか、首都圏での国際拠点空港の整備を進めております。関空の二〇〇七年の約十三万回と申しておりますけれども、これについては我々頑張ってやりたいと思っておりますけれども、羽田空港の再拡張も二〇〇九年でございます。成田の二千百八十を二千五百にするのも、これから頑張ってもこれ三年、四年掛かる事業でございますので、そういう意味で、厳密に言いますと二〇〇七年は見込んでおるところではございます。
 将来どうかと、こういうことでございますが、関空の今の利用者でございますけれども、近畿二府四県の割合が約七割、それから近隣の中国、四国、西日本を合わせますと約八五%でございます。首都圏における大都市圏拠点空港の容量拡大はあっても、国際需要は増大しておりますので、その需要は増加していくものと、このように見込んでおります。

○又市征治君
 そのように説明をなさっていますが、例えば航空会社の関係でいえば、伊丹で減便した分、すべてそれはもう関空へ移してくださいと言われたってそのとおり応じられませんよ、こういう指摘が航空各社からもあったり、あるいは本当の意味で羽田の国際枠新設などの問題を含めて、影響がどの程度出てくるか。やっぱり関空が非常に高い。だから、そういう点でいえば、羽田や成田が拡張されればそちらへ移りたい、こういうのがアジア各国あるいは国際線の関係で随分あるわけで、極めてそういう意味で私は甘い、楽観的な予測ではないかということはぬぐい切れないわけでありまして、その点、是非しっかりともっとチェックをしてやはり出されるべきだと、こういうふうにも申し上げておきたいと思います。

 そこで次に、この一般会計からの受入れは、特定財源である航空機燃料税の十三分の十一と純粋一般財源とがあるわけでありますけれども、最近の純粋一般財源分がどんどん増えているという傾向にあります。その大半が関空会社や中部空港会社への出資金であったり貸付金と、こうなっているわけですね。
 そこで大臣に伺いますが、このやり方は道路公団ファミリー企業と同様のトンネル会社であって、民営化といいながら税金をつぎ込んでいると、こんな格好になっているわけですね。こうした出資金、貸付金というのは、むしろ民営化というんですから中止をして、税金からの繰入金をむしろ減らすべきではないのか、この点がまず第一点、お聞きをしたいと思います。

 それから二つ目には、羽田、成田、関空、中部、この四大国際空港は民営化するという方針で来たわけですから、そうである以上、独立採算制でいくべきであって、その建設拡張費も空港ごとの個別会計にして、これ以上空港整備特別会計への依存を断ち切るべきだろうと思うんです。そして、残る空港整備特別会計の役割というのは、地方中小空港の振興やその補助、あるいはそして借入金の返済に限るべきであって、そのことが特別会計としての筋ではないか、こう私は思います。そういう点で、この点について二点目としてどういうお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君=国土交通大臣)
 最初の御質問も後の御質問も結局、大都市圏の国際空港、これをどう位置付けていくのか、国のかかわりはどうなのか、国としてどこまで責任を持って進めていくのか、その辺の認識の問題が私、恐らく委員と私どもでもしかすると少し違うのかなというように思うんですね。
 我々は、この国際空港、成田、そして今は中部、そして関西がございます。で、いずれ羽田が国際化されるわけでございますけれども、これから国際航空需要というのはますます、経済がますますグローバル化する、特に中国を中心とする東アジア経済がすさまじい勢いで経済が伸びている、また日本国内の企業も中国を中心として水平分業をやっている。そういう中で、国際航空需要というのは、旅客面もそして貨物の面でも私はこれから伸びていくというふうに判断していますし、そういう意味で、国際空港についてはやはり国が、この日本の国際競争力の強化向上ということを考えましても、今後の日本の経済の基盤をしっかりつくっていくという面でも、これをやはり一定限度国がきちんと責任を持って整備に努めていくということが大事なんじゃないのかなというふうに私は考えておるところでございます。
 また、関西空港について言わしていただきますと、これ二〇〇七年に供用が二本目の滑走路開始になるわけでございますけれども、四千メートルの複数滑走路を、二十四時間空港、こういう空港というのは、国際空港見たらもうグローバルスタンダードなわけですよ。そういう空港というのは我が国には全然ないわけなんですね。この関空で初めて、四千メートル二本、二十四時間空港というのが初めてできるわけです。成田もまだ平行滑走路二千百八十メートルという状況でございます。また、中部はまだ一本でございます。二本目の計画なんかまだまだ全くありません。羽田は国際化するといっても国内の拠点空港であるのが主でございます。
 と考えたときに、関西空港のやはり持つ意味というのは私は大変大きなものがあるというふうに考えているところでございまして、これからの日本経済の発展また国際協力の機能強化ということから考えますと、国際空港をしっかりとした、ほかの国の空港にも負けないような、そういう競争力を付けた空港にしていくというのは、国がやはりきっちりと責任を持って進めていく必要がある事業であるというふうに考えております。
 そういう意味で、限られた公共事業予算、抑制されている基調の中で、やはり重点分野として私は位置付けていくべきであると考えております。

○又市征治君
 私は何も、国際空港そのものは軽視をしたりなんか、そんなのしているつもりはありません。問題は、この空港整備特別会計というプール制の、都合のいいこういう特別会計を持っておるために、採算を度外視をしたり、そういう意味で過重な、そういう意味で重複するようなこんなことがやられているんではないのかいうことで、これは、会計検査院からもこれは指摘をされている問題ですから、時代の推移とあるいは財政状況等を踏まえて一般財源への繰入れを減らしていくべきじゃないか、このことを申し上げているのであって、関西空港の重要性、そんなの要らないなんてこと言っているつもりは全くありません。その点は指摘を申し上げておきたいと思います。

 ところで、もう一つお聞きをしておきますが、先般、運輸多目的衛星「ひまわり」がようやく打ち上げになりました。これを使って航空管制をするという計画は一体どうなったのか。
 常陸太田と神戸に航空衛星センターを造って百人以上を常駐をさせたまま、五年間百億円以上の無駄遣いをしてきたわけです。その間にGPSが発達をして、今では航空管制に衛星は要らないという、こんなふうに言われてきた。打ち上げ費用八百六十九億円のうちの気象衛星用は、これは一般会計で二百七十四億円見ているわけですが、残り五百九十五億円は空港整備特別会計の負担じゃないですか、これは。そしてさらに、航空管制用の地上施設にも一千九百億円掛かると、こう言われているわけですね。今から、航空への利用中止を含めて、これは一体どういうふうに改善をされるのか。
 さっき申し上げたように、私は、ここでも空港整備特別会計という誠に便利な財布があるために、まるでそんなところへ、別のところに流用している、莫大な無駄な金が使われているんじゃないかと、こう申し上げている意味なんです。この点について改善策をお示しください。

○政府参考人(岩崎貞二君)
 航空機が安全に運航するためには、まず航空機自体が自らの位置を正確に把握するということが必要でございます。それと併せて、航空機というのは前後左右どういう航空機が飛んでいるか分からないものですから、それを私どもの管制官で全体の交通を把握いたしまして他の航空機との間で適切な間隔を確保していくと、こういうことをやっているわけでございます。
 GPS等が発達いたしましても、航空機の自らの位置は分かりますけれども、前後左右の航空機の周辺の状況は分かりません。これを、国内でありますと私どもの管制官がレーダーの画面でもって今全状況を把握しております。太平洋上、洋上でございますと、残念ながらレーダーが届きませんので、パイロットから私はこういう位置にいますよという位置通報を受けております。その手段が現在短波というのを使っておりますけれども、短波ですと、どうしても短波通信が太平洋上長距離でございますので不安定でございます。位置通報や管制官による指示が直ちにできない場合がございますので、相当の間隔を空けて今洋上は飛ばしている状況でございます。
 今、北米とアジア諸国との太平洋の航路というのは、航空路と申しますのは、日本と北米も交通路も増えておりますけれども、中国あるいは韓国あるいは東南アジアから直接に北太平洋を通って北米の方に行き来するという交通が増えております。こういう航空機の間隔を狭めていくには、今の短波を使ってというやり方の位置通報ではどうしても安全上問題がございます。今回上げました衛星によりまして、衛星のデータ通信を使いまして適時適切に、よりきっちりしたデータで、よりきっちりした間隔で、その航空機の位置を我々管制官の方に教えてもらいまして、それを踏まえて間隔を詰めていきたいと、このように思っているところでございます。
 このようにして、この衛星を活用していきたい、管制間隔を詰めてやっていきたいと、このように思っているところでございます。

○又市征治君
 都合のいいところだけ言わないで、五年間で百億円以上全く無駄に職員を遊ばせてきた問題はどう改善するんですか、そこの点だけ最後にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(岩崎貞二君)
 残念ながら、この衛星、委員御指摘のとおり、最初の衛星がおっこちまして、その後いろんなトラブルがございまして、先般のひまわり六号を上げるまで時間が掛かりました。その間、できるだけ、私どもも、衛星センターにいる職員のほかへの活用でありますとか、訓練でありますとか、努力してきたところでございます。
 今後、こうした努力をきっちり生かして、この衛星の運用に遺漏なきものを期したいと、このように思っているところでございます。

○又市征治君
 終わります。