第162回通常国会

2005年3月31日 総務委員会(1)



(1)NHKに求められる不偏不党
(2)激増するNHK受信料の不払い
(3)経営責任のしわ寄せを職員に押し付けるな
(4)政治介入を許さぬことがNHK改革の最重点課題


○又市征治君
 社民党の又市です。
 NHKは、今ある意味で創設以来の危機にあるんだろうと、こう思います。盛んに放送八十年、放送開始八十年、こういうふうに宣伝がされておりますけれども、それよりも重要な視点というのは、国民主権を定めた憲法の下でこの六十年、どれだけ国民の期待にこたえてきたかが問われているんだろうと、こう私は思います。
 今、国民がNHKの民主的な改革を注視をしている中で、どれだけ放送現場の自主性や不偏不党性、あるいは公共的使命を守っていくのかが問われている。まず、このことを申し上げながら質問をしたいと思いますが、先ほど受信料の不払がこの三月末で七十万件程度と、こういう話がございました。しかし、初めこの予算が組まれたとき、四十五万件から五十万件ぐらいと、こう見込んでおった。急速に増えていっている。こういう状況にあるわけですが、口座振り込みの取消しがあった場合、この七十万件の中に入っているのかどうか。まず先、これをお伺いします。

○参考人(中山壮介君=日本放送協会理事)
 お答え申し上げます。
 銀行振り込みの解約を届けられた場合には訪問集金への変更ということになりまして、担当者が集金に伺って集金をさせていただくということになります。その際、不祥事を理由に支払を拒否又は保留の意向を示されれば、支払拒否・保留の件数として集計されておりまして、銀行振り込みの解約された方と、それから訪問集金の解約、まあ支払拒否の方が両方が含まれているということでございます。

○又市征治君
 それなら、実勢はもっと解約が増えていく。皆さん方のNHKの内部の中からも、公式見解じゃありませんけれども、どうも百万件を超えていくんではないか、こういう見方も一部にあるやにお聞きをいたします。
 そういう意味で、観点を変えて、これをどう穴埋めしていくのかという問題ですが、この減収百十億円を経費節減でカバーをする、こういうふうになっているわけですけれども、しかし、経営責任を賃金カットなどで職員にしわ寄せをするなどというのは、私はこれは賛成しかねるわけですが、この予算にはそれももちろん織り込み済みになっているんですけれども。
 他方で、私は、これまでのNHK予算案の議論の中で、どうも地上デジタル放送の経費、過大なやっぱり投資ではないかと、こう批判を申し上げてまいりました。二〇〇五年度、また百四十八億五千万円、これ増額になっているわけですね。こういう格好になっているわけで、この際、本当にこうした過大な利用者負担にももう懸念をされるようなこうした設備投資というものは、場合にはやっぱり減額をする、延期をする、こういうこともすべきではないかと、こんなふうに、これは返事をいただきません。しっかりとこのことは検討されるべきということを申し上げておきたいと思います。
 そこで次に、このいろんな不信を招いている、このためにもっと情報公開が必要だろうと、こういうふうに思います。
 まず問題の、今も出ました特集番組、「戦争をどう裁くか」についてですけれども、そのビデオを大学の教授や市民が自主上映をしようとしたらNHKは著作権を理由に拒否をしたと、こういうことですね。ところが、その後、三月十一日のNHKの、今日、経営委員長お見えいただいていますが、九百八十九回目の経営委員会では委員から、堂々と検証してもらうべきだ、全国的に注目されている問題なんだからと、こういう意見が出されていますね。それに対してNHKの役員の側は、経営側は、著作権の問題で、出演者に許諾を得ていないなどと反論をして、これポシャった、こういうことですね。しかし、元々この国際法廷というのは公開の場だったんじゃないですか。公開の場だったら、何で拒否する理由になりますか、これ。おかしな話なんですよ。
 そこで、石原委員長、この委員の意見こそ国民の知りたいことを代表しているというふうに思われませんか。

○参考人(石原邦夫君=日本放送協会経営委員会委員長)
 経営委員会の場におきまして、委員の一人からの質問に対し執行部が答えるという場面がございました。執行部からはその際、著作権上の問題についての説明ございました。
 本件につきましては、今後、執行部の対応につきまして、経営委員会といたしましても見守っていく所存でございます。

○又市征治君
 この公共放送、政治権力の介入許さないということは公共放送としてのNHK改革の最重点課題でもあるわけですが、そのきっかけとなったのがこの番組の削除事件なわけですね。そのビデオさえも、そういう意味では経営委員会から出されてさえも、出そうとしない。ましてや、そういう意味では、出演者に許諾権というんならば、聞けばいいじゃないですか、公開でやったんだから。そういう姿勢、こういう格好の中で改革改革と叫んだって、本当の意味でNHKの改革はやられているというふうに思われますか。まゆつばだと言わざるを得ない。国民の皆さんにちゃんとこれはNHK会長説明を、ここの場できちっと説明してください。そのぐらい説明ろくにできなくて、何が改革を叫んでいるんですか。

○参考人(橋本元一君=日本放送協会会長)
 我々NHKとしましては、やはり編集権の自主自律ということを重要に考えています。いろんな多様な御意見ある場合には、やはりこれをバランスよく取り上げていかなければならないと思いますし、このいわゆる放送の自主自律、これがこれからもやはり公共放送にとって大事なことだと考えております。

○又市征治君
 答えになっていませんよ。私が聞いているのは、そうやって経営委員会からも言われている、公開の場でやられた番組だ、だからそれを公開してほしいと、こう言われたことに対して、こんなこともやらないで何が自主性ですか、それ。とんでもない話ですよ。答えになっていない。国民、こんな格好じゃ納得できない。こういうことをやっているから、不払や保留が増えていくんですよ。その点をもうちょっとしっかりと答弁をいただかないと話にならない。
 もう時間が参りましたから、これは午後に引き続きこの問題は指摘していきますけれども、やはり本当の意味で自主性や不偏不党性や、そして豊かで良質な放送の制作をして、それでやっぱり放送をしていく、その中で国民の信頼を取り戻していく、こういう構えなくして私は改革というのはないんじゃないか、このことを今日、午前の部のところは申し上げて、終わりたいと思います。