第162回通常国会

2005年4月27日 決算委員会



(1)特別会計を省庁の既得権にするな
(2)独立行政法人こそ経営責任を問うべき
(3)特定財源が余るところに税金まで注入し査定もしない政府
(4)特別会計を厳しく監視し剰余金は回収すべき


○又市征治君
 社民党の又市です。
 私は、塩川大臣の時代からずっと一貫して特別会計問題やってまいりまして、そういう意味では谷垣大臣とも大分やり取りやらしていただきました。
 今日も特別会計問題に触れてまいりますが、財政審の特別会計小委員会が四月十一日に半年ぶりに開かれましたが、議事録の要旨を見ますと、各委員から、「各省が『自分達の予算だ』と思っているところに根本的な問題がある。」などという意見が出されているわけですね。
 これは、主として、一つは特定財源を囲い込んで各省の既得権、不可侵の歳入のように見ている、そういう嫌い。
 二つ目には、多額の剰余金が生じているのに、それを一般会計に入れるでもなく、年々二割から二割五分も事業繰越しにしたり、積立金や資金という名で私物化をしているなどということを指しているんではないか、こういうふうに私は理解をいたしますけども、先週も、私、この場で指摘をしたんですが、剰余金をため込むためなのか、あるいは余って困っているのか分かりませんが、四年度以上にもわたって同じ空予算を組んでいる、例えば電源特会など、こういう例があるわけですね。
 そこで、この小委員会ではこれまで、さきに申し上げたこの二点についてどのような論議が行われてきているのか。例えば、道路であるとか空港であるとか電源特会であるとか、こんなことについて御紹介いただければと思います。

○政府参考人(松元崇君=財務省主計局次長)
 過去の財政制度審議会特別会計小委員会におけるどのような議論が行われているかという御質問でございますが、特別会計につきましては、財政制度等審議会特別会計小委員会におきまして一昨年来、第一回を平成十五年四月十四日に開催しておりますが、以来様々な見直しに向けての御議論をいただいているところでございます。
 例えば、今お話がございました特定財源につきましては、道路整備特別会計におきまして道路特定財源の使途を拡大するのであれば、納税者の理解を得て行う必要があるのではないかといった御意見、あるいは、剰余金につきましては電源開発特別会計におきまして多くの剰余金を発生させておりますが、その見直しに向けて議論を深めていく必要があると、こういった御指摘をいただいているところでございます。

○又市征治君
 そこで、大臣に伺いますけれども、この特別会計の見直し問題、ずっと言い続けてきているわけですが、当然、これは国民の資産を毀損しない方向で行うべきだということは当然なんですが、例えば二〇〇二年度末に産業投資特会から基盤整備センターへの出資二千七百六十五億円の損切りが行われたわけですけれども、何ら回収の努力もされない、ほぼ全額が毀損で終わって、だれも責任を取っていない。民間企業ではちょっと考えられない無責任体制だというのは、これは前にも指摘しました。
 この後、今年の十月に電源特会から核燃料サイクル機構への二兆三千五百億円にも上る減資が予定されているわけですが、これもまただれも責任を取るという格好にならないんだろうと思うんですね。
 しかし、今日、公的機関でも、郵政公社であるとか、あるいは年金の運用機関などで理事者の経営責任を定める動きが強まっておることはもう御承知のとおりであります。特別会計も企業会計を導入した以上は、当然そういう意味で経営責任者を特定して経営責任を徹底させるべきではないかというふうに私は思います。
 ここの点について、大臣、どういうようにお考えですか。

○副大臣(上田勇君=財務副大臣)
 お答えいたします。
 各特別会計につきましては、法令上はその特別会計を所管する各省大臣が管理する責任を負っているところでございまして、今委員から御指摘のあったところでございますけれども、財務省としても、この財政制度審議会で御提言等もいただいているところでございますので、各省庁の既得権益の温床とすることなく、引き続き徹底した見直しを進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○又市征治君
 私聞いているのは、その経営責任問題のことを申し上げているんですが。
 例えば、今政府の中に一般職員には能力評価制度を導入してその責任を問う動きありますけれども、他方で、こうした各府省庁が所管をしておる独立行政法人、ここの経営者の評価だとか責任を問うシステムはない。こんなばかな話はないわけですよね。
 こうした、末端の職員には厳しくて、高級官僚の失政による巨額の損失は責任問われない。これじゃ、効率的行政だとか特別会計の見直しと、こう言ったって、全く話にならぬじゃないですか。この点、私は、そういう責任問題、このことをもっときちっきちっとやれと、こう申し上げているんで、この点の改革を強く求めておきたいと思います。

 この特定財源を抱える特会から特定財源による独立行政法人などへの支出と同時に、一般会計から同じ法人へ別途支出がなされている会計、幾つもあるんですね。例えば、さっき申し上げた核燃料サイクル機構への支出がその典型ですよ。
 特別会計と一般会計の両方から保障するというのでは、出資の違いも本当にあるのか、全く不鮮明でありますし、いわゆる一般会計と特別会計でやることの意味、これが不鮮明だ。えてして、出し過ぎになるんではないか、このように私は思います。
 百歩譲って、いったんどちらかの会計に入れた上で支出をしなければ、国民はやっぱり政府の支出総額すら分からない。これはさっき尾立委員からもそういう主張がありました。この点について、もう一度改めて見解をお聞きします。

○政府参考人(松元崇君)
 特別会計と一般会計それぞれから一つの法人に対して支出がなされているといったようなケースがあるという御指摘でございます。
 特別会計を設ける意義といたしましては、事業の内容や性格によりまして受益と負担の関係を明確にできるといったこと、又はそれによりまして適正な受益者負担を促すことができるといったことがあるわけでございます。
 そういったことから、核燃サイクル開発機構に関する出資金について御指摘がございましたが、核燃サイクル開発機構が行う事業につきましては電源特会と一般会計両方から支出がなされているわけでございますが、研究開発が基礎的、初期的段階にありまして実用化までに相当の期間を要するもの、こういったものにつきましては、具体的に負担を求めるべき受益者の特定が困難であるということから一般会計の対象とします一方で、実用化の可能性について近い将来技術的めどが付き得るものにつきましては、実用化によりまして受益者負担になじむということで電源特会の対象にしているといったことでございます。
 こういった形で、事業の性格や発展段階に応じまして受益と負担の関係を明確にするという観点から区分して予算計上を行っているというところでございます。

○又市征治君
 ちょっとあいまいなんですよね。
 今の核燃サイクルの問題で申し上げるならば、特会から一兆四千七百億円で全体の四八%、一般会計からもほぼ同じ一兆四千五百億、四七%、ちょっとでき過ぎた話ですよ、これは。
 特定財源が余っているのに、まだ税金から注入する、こんな格好で一体全体国民は納得するのか。
 それこそ今日の新聞、先ほども取り上げられましたけれども、省庁任せでほとんど査定ができていない。これ、できる、一体全体できないシステムになっているのか、全くやっていないのか、ここら辺はどうなんですか。

○政府参考人(松元崇君)
 委員御指摘のようなことであっては当然いけないわけでございますので、そこはそれぞれの特会の考え方、あるいは一般会計からのこの資金を拠出します考え方ということを明確に区別いたしまして査定をいたしていく必要があると考えております。今後ともそういった考え方で厳正に予算査定を行ってまいりたいと考えております。

○又市征治君
 やはり新聞の報道によれば、財務省に聞いて、そういう意味では増えた分だけチェックしているんでみたいな話じゃ、これは本当に話にならぬと思うんですよ。だから、さっきも財務大臣おっしゃったけれども、塩川さんの言葉をとらえて私は、一般会計は母屋でおかゆをすすっていて、裏では、離れではすき焼き食ってどんちゃん騒ぎしていると。私、それに加えて、それで一方では自治体からは、もう「せんべい布団」まで剥ぎ取っていくようなことをやっているじゃないかと申し上げたんです、そのとき。こういう格好で特別会計がもう全くチェックもろくにできない、このシステムをやっぱり本当にしっかりと改革をしていただく、このことを強く申し上げておきたいと思います。
 そこで、先週、私は、出資が毀損しているのに他方で多額の剰余金があるんだから、少なくとも一般会計分はそこから回収すべきだと、こう申し上げたことに対して、財務省の答弁は従来どおり。つまりは、一般会計、今もそんな話なんだけれども、一般会計出資も必要と考えてやったと、剰余金は将来の事業にも必要だからためてもいいんだみたいな御答弁があった。ちょっと時間がなかったから私はこのことを深く突っ込みませんでしたが、これでいきますと、一体全体何のために特別会計小委員会を設けたり財政制度審議会をつくってやっているのか、意味分かりませんよ、これ。
 そういう意味では、これだけやかましく特別会計の見直しをやりなさい、企業会計方式を導入した意義というものをしっかり踏まえてください、こう言い、財政審の委員の皆さんが御努力いただいたり、こういう国民の声に全くこたえていない。このことについては、まず一つ答弁を改めて求めます。

 それから、林野特会のように、地球環境的あるいは政策的に支出が非常に大事だと、こういう事業がありながら、元が独立採算であった経緯だけで、これはいまだに一般会計、借金返済強いられているわけでしょう。こういう会計が一方である。他方で、毎年多額の特定財源による剰余金を出しながら更に一般会計から多額の注入を受けて、しかもそれが出資先の公的機関で毀損をしている、こういう特会がある。全く均衡を欠いているじゃないですか。こういうところを徹底的にメスを入れて直すべきだということを私申し上げてきたんです、ずっと一貫して。それに対してさっきのような答弁じゃ、それは話になりませんよ。
 一般会計出資金を特会の剰余金から年賦によって回収することは、特定財源の悪用を是正していく方策の一つとして国民に合意を得やすいし、柔軟かつ有効な方法だというふうに私は思うんですが、この点と二つ、まず御答弁いただきたいと思います。

○政府参考人(松元崇君)
 電源特会では多額の剰余金が出ていると、一方で核燃サイクル開発機構の政府出資金が毀損していると、これを、この出資分を回収する、埋めるといったことでどうかといった御質問ということかと存じます。
 これは、正にこれまでもお答えしているところでございますが、核燃料サイクル開発機構に対する出資金につきましては、財務諸表の形式上は欠損金が累積しているという形になっておりますが、この一般会計からの出資分であれ、あるいは特別会計からの出資分であれ、研究開発の成果が将来にわたりまして国民の有形無形の資産として残っておるということでございまして、我が国の経済社会の発展に寄与するという形でその利益が国民に還元されております。そういったことで、国民経済的には出資金としての役割を十分果たしてきているというふうに考えております。
 しかしながら、財政審の御議論でもあったところでございますが、国民全体の資産として残ると申しましても、核燃料サイクル開発機構につきまして、民間企業と同じ考え方でとらえた場合、具体的な資産がサイクル機構の中に特に形成されているわけではないということから、分かりにくいという御指摘があったところでございます。
 こういったことから、十四年度の予算措置以降は、核燃料サイクル開発機構が行う研究開発に対します予算措置方法といたしまして、出資金から補助金に変更してより分かりやすい形にしたというところでございまして、また、十三年度以前に出資金として措置しました額につきましては、財務諸表上は欠損金が累積している形になっているわけでございますが、平成十七年十月の独法化を機に、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の規定に基づきまして、民間企業会計に準拠する形で整理することといたしているものでございます。

○又市征治君
 どうも何かしら、本当に抜本的に改革やるというんじゃなくて、事なかれ主義みたいに私は聞こえてしようがないですね。そんなことをやっていると正に百年河清を待つ、いつまでたっても省益エゴにメスを入れられない、こういう気がしてなりません。

 そこで、このあと二問、大臣、是非お答えいただきたいと思うんですが、その出資先の法人、例えば今回の核燃サイクル機構が減資をするというんなら、それに先回りして、四七%に上る一般会計出資分だけでも長期の年賦でもいいから回収できるスキームをあらかじめ早急に、合併する十月より前に取り付けるのが、いい意味での企業マインド、株主たる国民への責任じゃないかと、このように思うんです。そして、同様な第三、第四の出資の減耗は他の特別会計にもあるはずですから、それに対して国民の資産を守る制度化というものを特別会計改革の目標の一つにするよう求めたいと思うんですが、この二点について、大まかな大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君=財務大臣)
 出資金という形でやっている研究開発法人、これ随分又市委員とも議論をさせていただいたなと思うわけでございますが、先ほどのお話のように、独法化に当たって出資金という形より補助金という形で整理をするということになったと、これは議員の今までの問題意識にもおこたえをした改革かなというふうに思っているわけでございます。
 そこで、特殊法人から独立行政法人への移行に際して、これは資産、負債を時価基準で評価した上で承継していくと、その差額は新たに設立された独立行政法人の資本金として整理していこうと、こういうことなわけですが、その今の又市委員の御指摘は、移行の際、資本金として整理される金額が減額となる法人については、一般会計分からの出資分は確保した上でその特別会計の剰余金を用いて処理すると、それで特別会計分を減額することとしたらどうかと、こういうお考えだと思うんですが、これにつきましては、一般会計、特別会計からの出資金、先ほども次長から御答弁の中に入っておりましたが、それぞれの出資対象の法人あるいは事業等の性格、それから目的、異なるところがございますので、処理に当たり、特会に一方的にしわ寄せをするというような方法が適当かどうかという点については、私は必ずしも適当ではないと思っておりまして、したがって、今回、出資対象の法人、事業等の性格、目的というものに応じて、その中で原則として出資割合による平等な減額を行うということで今回は処理を、対応しているわけでございます。
 他方、先ほどの御議論ですが、恒常的に不用を生じて多額の剰余金が発生しているような特会があると、国全体の財政資金の効率化の観点も踏まえて見直していく必要があるじゃないかと、これは平成十五年の財政審の報告書でも指摘をされているところでございますので、私どもとしては、こういう指摘はやはり重く受け止めて、今後とも特会の剰余金が合理的な水準を超えないように、これは事務事業の見直しとか歳出の合理化やって、歳入面での見直しにも取り組んで、国全体としてのこの財政資金の効率化を図るようにしていかなければいかぬと考えております。

○又市征治君
 大臣も後急いでおられるようですからもう一問だけにいたしますが、私は、昨年五月、特別会計の整理、一般会計の再統合を含めて総理に数値目標を求めた。これ、大臣にも求めたんですが、その後も一度も示されたことがない。
 五千億円の削減をしたというふうに大臣からはお答えがございましたが、別の純増があってかえって増えたというのが実態だったわけですね。
 純計二百兆円余りのうち政策的削減の余地があるのは、取りあえずこの予算で見ますと、財務省の挙げている十六年度予算ベースでいいますと約十四兆八千億円、これがむしろこの中では削減余地がある、こういうふうに私は理解をするんですが、このベースに何らかの数値目標を与えていくお考えはあるかないか。ここのところを、大臣、私はこれは英断をなさって、本当に特別会計を切り込んでいくというならば、この十四兆八千億円のところに数値目標を設定すべきだ、こういうふうに思うし、これまでも申し上げてきたんですが、その辺のお考えはいかがですか。

○国務大臣(谷垣禎一君)
 数値目標の設定、これはあるいは以前にも委員にお答えをしたことがあるんではないかと思っておりますが、それぞれの特会の目的、性格、かなりまちまちでございます。特会の大きな部分は、今後とも増加が見込まれる国の債務償還費であるとかあるいは年金給付費であったりしているわけですが、たとえこれらを除いた経費でありましても、外為特会の歳出というのは、これは為替介入の規模と関連していますので、毎年これは歳出規模を見込むことが先々困難でございます。
 それから、公共事業に関する特会というのは、これは基本的に公共事業の歳出と連動しておりますので、特会という切り口で中期的な数値目標を設定するということにはなかなか難しい点がございます。
 個々の特会や特別会計全体に対する削減の数値による目標というのは、そういうことでこれは難しいかなと私どもは思っておりますが、財務省としては、特会の歳出について、あるいはその中身である事務事業の必要性を丹念に検証するということは、これはもう徹底してやらなきゃならないと思っておりまして、委員の問題意識も受け止めながら、各特会の性格に応じてどういう、具体的にどういう目標設定が可能かということは今後とも関係府省と少し議論をしていきたいと考えて、少しということじゃいけません、十分議論してまいりたいと思っております。

○又市征治君
 私申し上げたのは、大臣がおっしゃった意味ではなくて、その他の事務、業務費等となっているところの十四兆八千億のことを申し上げましたので、その点は是非御検討いただくように申し上げて、終わります。