第162回通常国会

2005年5月12日 総務委員会



(1)迷惑メール対策委託を独占してきた外郭団体
(2)省庁からこの団体への天下りの実態
(3)団体の予算・収支の不透明な変化
(4)相談窓口を多様化し利用者の身近なものに
(5)疑惑をもたれないように業務内容の公開を


○又市征治君
 迷惑メールの被害が携帯電話からパソコンに移ってきて、先ほど来から出されていますように、一時期減少はしたものの一年くらい前からまた拡大傾向にあるということで、これを踏まえてこの法律案が出されている。この法律が当総務委員会の発議で作られてきた経緯も踏まえながら、今回の改正は当然賛成をいたしますが、そういう立場で政府及び関係機関としての対策について若干お伺いをしてまいりたいと思います。

 まず初めに、昨年十二月に、総務省は迷惑メールへの対応の在り方研究委員会に寄せられたパブリックコメント、個人六十二件、法人・団体十三件をまとめておられます。この中で、この法律による指定法人、すなわち迷惑メール問題の委託機関で総務省の外郭団体である日本データ通信協会、その受託事業である迷惑メール相談センターについて、名指しで改善を求める意見が少なくとも三件載っているわけですね。
 その一つは、これらの相談・情報提供窓口に関する広報を一層強め、さらに多くの相談や情報提供を受けることによって、総務省、経済産業省両省が事業者への指導を積極的に進めることとあります。これは消費者機構日本から出されているわけですが。
 二つ目は個人からの意見で、少し手厳しい指摘ですけれども、迷惑メール相談窓口が機能しているかどうか疑問だ、特に海外からの送信の場合に強く感じるとあって、また、各種調査結果等、活動内容をこれまで以上に公開すべきだというふうに求めてきているわけですね。
 三つ目は、これとほぼ同様の意見ですけれども、全国消費者団体連合会からも寄せられている。こんなふうに見ました。

 先ほど来からございますように、迷惑メールが毎月三万数千件の相談が寄せられているようですけれども、関係者からこのように批判が出されているわけですが、今度の法律の改正に伴って一体この点はどのように改善がされるようになったのか、あるいはしていこうとしているのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。

○政府参考人(有冨寛一郎君)
 今先生御指摘の、迷惑メール相談センターについての活動でございますけれども、これは特定電子メール法に基づく指定法人であります財団法人日本データ通信協会の中に設けられたものでございまして、このセンターには、この迷惑メールについて毎月五百件程度の電話の相談、それから三万件程度の苦情申告メールというものが寄せられております。
 今御指摘のとおり、昨年十二月に迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会中間取りまとめ案ということに対する、の意見文書に対する意見といたしまして、今先生御指摘のような意見が三点寄せられております。詳細は、ちょっと時間を取って恐縮でございますけれども、相談・情報提供窓口に関する広報というものを一層強めて、相談等に基づいて総務省等が事業者への指導をきちんと積極的に進めるべきではないか。それから、センターが機能しているかどうか分からない、特に海外についての、海外からの送信の場合には強く感じると。活動内容をこれまで以上に公開すべきではないか。三つ目が、センターの認知度を更に上げるとともに、必要な広報・相談体制を確保すべきではないのかというようなことでございました。
 順次お答えをいたしますけれども、この広報活動についてでございますけれども、総務省といたしましては、特定電子メールの制定以降、パンフレット等の配布、あるいはホームページへの掲載等を通じまして、相談提供窓口、どこに相談をし、情報を提供したらいいかというようなことが分からないということなので、そこをここでいいですよというようなことをきちんと周知しなきゃならないということでございまして、こういう御指摘がありましたので、これは一層きちんとどこに行けばいいのかということを周知徹底をしたいというふうに考えております。
 それから、事業者への指導でございますけれども、この相談等に基づく事業者への指導、これは、そのセンターが収集をいたしました情報に基づきまして、例えばある事業者が先行して対策を講じます。非常に効果があるというときに、それで止まっておったんじゃ意味がないわけでありますので、他の事業者にもこういったいい規制策がありますよということについて、その採用を促すというような観点で、このセンターの情報を活用しながら自主規制を強化をするというような取組をしてきておりますし、またしていきたいというふうに思っております。
 特に、例で言いますと、平成十五年の六月、七月にKDDIやドコモが開始をいたしました利用停止措置というのがございますが、これについてボーダフォンにもこれは採用してはどうかというようなことを実際に提案をした、こういうものもございます。
 それから、センター機能の強化でございますけれども、今回は、この法律改正によりまして直罰規定が入ります。したがって、センターが警察への告発機能ということを担う形になります。そうしますと、利用者からの情報提供が一層有効に活用できるというふうに考えておりますので、こういった観点でいいますと、警察との連携というものをしっかり取れるような体制を強化をしていただきたいというふうに思っております。
 それから、海外からの関係でございますが、海外からの送信につきましても、これは、多少これは難しゅうございますけれども、一層この調査研究動向、こういったものについての力を入れるようにというような形で活用していきたいというふうに思います。
 それから、活動内容の公開の関係でございますが、これは現在でもホームページにおいていろいろやっておりますけれども、こういった御指摘もあったということなので、より積極的な情報公開に努めるよう指導をしていきたいというふうに思います。
 それから、周知啓発についても同じでございます。

○又市征治君
 そこで、次に大臣にお伺いをしたいんですが、今回の改正案では、現在の指定団体を、登録機関と改正をして迷惑メール対策窓口を増やすと、こううたっているわけですね。つまり、形式的には公益法人改革と併せて指定団体制の弊害や独占状態というものをなくしていこうと、こういうことだろうと思います。
 ところが、お聞きしますと、登録機関が、じゃ増えるのかというと、どうもそういう見込みがないというお話なんで、そうすると、実態が変わりそうにない。したがって、法改正をするんなら、実際に窓口を多様化して消費者の身近なものにするように、プロバイダーや消費者団体、あるいは今回、パブリックコメントで寄せてきたような、こういう団体などに登録機関としてお願いをする努力をすることも一つの方法ではないか。この点については大臣、どういうふうにお考えですか。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 今御指摘のありましたように、今般の法改正によりまして、機関としては、日本データ通信協会以外にも複数の登録機関が現れる可能性は確かにあります。私どももそう思っております。
 御指摘のとおり、今この利便性を高めることということが、いわゆる窓口を一杯増やすことによって利便性を高めることが必要だという又市先生の御意見もある傍ら、もう反対側には、とにかく専門職の機関がノウハウを蓄積して、いわゆる一元的な対応をする方が有効だという御意見もあることも確かなんですよ。これは、どっちがいいか、ちょっと正直申し上げてよく分からぬところなんですが、私ども、いずれにいたしましても総務省としては、この法改正の内容につきまして指定法人制度からいわゆる登録機関制度への変更ということになりましたので、私どもとしては、少なくともパンフレット、またホームページ等々をつくりまして、積極的にこの点につきましては周知はしていかねばならぬところだと思っております。

○又市征治君
 是非、申し上げた趣旨で広げていただいた方が効果があるんではないかと、こう思いますので、取り扱いいただきたい。
 とりわけ、ちょっと今出たこの協会の問題ですね。やはり、とかくその意味では、総務省から迷惑メール対策の委託料が年間約一億円払われているわけですね。それだけに、どうもこの点が既得権益化されているんじゃないかと、こういう疑惑を持たれる。こういうことがあってはならぬわけでありまして、特に調べてみましたら、この協会の役員は歴代会長が郵政ないし総務省の事務次官なんですね。以下、十八ポスト中五名が郵政、総務及び経済産業省の幹部出身者の指定席になっている。典型的な天下り団体の例に漏れないと、こういうことになっているわけで、元々この協会、役割は大事なことを果たしているわけですが、国家試験である電気通信技術者等の資格試験を独占をしてきた、こういう典型的な外郭団体なわけですけれども、どうも私は、ここへ来て予算上おかしな変化が見られるなという気がしてならないんです。これはしっかりとただしていただきたいと、こう思うんですが。

 具体例申し上げますと、二〇〇四年度は事業費収入七億円余りのうち、国からの受託調査が一五%、同じく国からの電子メール事業収入が一五%でした。事業計画では、急速に財務状況悪化している、こう記されているわけで、かなり危機感が表明されているわけです。
 ところが、今年度の、二〇〇五年度の予算では一転して、国等からの受託事業収入を二倍の二億円余りに増やして見積もっておられるわけですが、その中でも、一般事業収入という項目も、何でか分かりませんが、五十万円ぐらいだったやつが一挙に一億五千万円に増えている。しかし、一般事業は支出も大きくて、二〇〇五年度は収支の差がマイナス二億七千万円という大幅な赤字計上になっている、こういう実は状況があるわけです。
 どうもこれはおかしいというふうに見ざるを得ないわけで、もう少しこの予算の問題を申し上げると、他方で、今回の法改正にかかわる電子メール事業も、ここに記載されておりますが、事業計画書では核にすると銘を打っているわけですが、収入は総務省からの一億七百二十五万円で、二〇〇四年度より若干微増、こういうことですが、支出の方はなぜか逆に九千三百十九万円から八千四百六十四万円に減らしている。去年から見れば一千万円近く減らしている。迷惑メール部門で二七%もの利益を上げるという、こういう構造に去年と比べるとなっているということなんですね。
 こう見てまいりますと、本当に、じゃ一体全体この協会は大事な仕事やらにゃいかぬのだが、迷惑メール事業について強化することに一体全体つながっているのかどうか、こういう気がしてならないんで、この点どのように掌握されているのか、お伺いいたします。

○政府参考人(有冨寛一郎君)
 今御指摘のデータ通信協会の事業内容でございますが、これは、データ通信協会として新しい環境の変化に対応するという観点で種々の取組をしてきているというようなことでございます。
 そういう意味でいうと、会費あるいは受講料あるいは審査料等々でいろいろな収支を図っているというふうに承知をしておりますが、この迷惑メール関連業務、そのことについてはこれまでも、これは指定法人という枠組みの中で特定電子メールの受信者に対する指導、助言、あるいは受信者からの申出に関する事実関係の調査、それと、電子メール、特定電子メールに関する情報の収集、提供というものを実施しておりますし、また協会では、専用のモニター機で受信をした迷惑メールを分析をして、送信元、プロバイダーに通知をするということによって、その迷惑メール送信回線の利用停止等を促すというようなことを総務省とも協力してやるというようなことを取り組んできております。
 今度の法改正によって、この辺につきましてはまた直罰規定が入るということで、警察との連携も一つの機能として果たすことになるというようなことでございます。
 ただ、これらの、現時点での迷惑メールの関連業務のことにつきまして、これは既存の情報収集業務等で蓄積をいたしましたノウハウ等を最大限活用できるという観点でいいますと、この法改正後においても追加的な負担というものは特に生じることなく実質できるんじゃないかというふうに期待をしております。ただ、今後、迷惑メール対策の強化というものが当然にして強く求められるということになりますと、同協会のこの件に関する財務基盤をどうしていくのかというのも当然考えなきゃならないというふうに思います。
 したがって、総務省といたしましては、そういう観点に対しまして適切な支援措置、いろんな支援措置が考えられるわけでありますが、そういったことについて連携を取って検討していきたいというふうに考えております。

○又市征治君
 指定団体から登録団体に変わるということになったわけで、今あなたがおっしゃったように、ここの財政基盤をどうするかという問題はこれは別の問題ですよ。それは総務省が考える話じゃないじゃないですか。
 そうでなくても、今申し上げたように、総務省と経済産業省の天下り団体として国民からは厳しく見られる、こういうところなわけですから、そういう点で、迷惑メール対策で、火事場泥棒だと言われるようなことがあっちゃならぬわけで、その点はきちっとやっぱり対処をいただく、そのように努力をしていただかなきゃならぬと思います。
 そういう意味で、実際に役立つように、相談機能の強化であるとか、他団体への窓口複数化をするとともに、協会の業務をやっぱりもっときちっと公開をして、そしてそういう国民から疑惑を持たれないように、非常に大事な仕事をやっていくところですから、その点を強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。