第162回通常国会

2005年6月7日 決算委員会



(1)橋梁談合のような官製談合の再発防止策を
(2)独禁法違反の課徴金引き上げに反対した経済団体
(3)特定財源こそ官僚の天下りと官製談合の温床
(4)特別会計の既得権化、特定財源制度、剰余金制度を正せ
(5)年間純支出205兆円にものぼる特別会計の削減目標を示せ

○又市征治君
 私の方も、まず橋梁談合の問題から入りたいと思いますが、公取委が告訴した分にとどまらずに、検察当局は道路公団も捜査中と、こういうことのようですが、報道では、公団の年間計画を基に幹事社の幹部が全企業の割り振りを決めていた、この幹部は公団理事からの天下りであって、元は建設省の地方建設局長だった、各社の公団OBたちは、かづら会という談合組織をつくっておって、しかもこの割当て結果は公団にも知らされたというわけですから、正にこれは官製談合そのもの、こう言わざるを得ないんじゃないかと思います。

 そこで、私は角度を変えて公取委に少しお伺いをいたしますが、さきに防衛庁の石油談合については調達本部の次長を実名を挙げて官製談合だと指摘をされたんですが、こうした後を絶たない官製談合の防止と摘発、あるいは罰則について、公取委はどうすればいいと思っているのか、そこら辺のところを率直にお聞かせいただきたい。

○政府参考人(伊東章二君=公正取引委員会事務総局経済取引局長)
 お答えいたします。
 公正取引委員会といたしましては、従来から、入札談合事件に対しまして独占禁止法に基づき厳正に対処をいたしますとともに、入札談合行為につきまして発注機関の職員が関与していた場合には、いわゆる官製談合の排除、防止に向けまして官製談合防止法の積極的な運用に努めているところでございます。
 こうした取組に関連いたしまして、今国会におきます独占禁止法の改正によりまして、課徴金の算定率を引き上げるとともに繰り返し違反行為を行う場合には更に五割加算すると、それから違反事実を自ら報告してきた事業者に対する課徴金の減免制度の導入、犯則調査権限の導入などによりまして、入札談合等の違反行為に対する抑止力、執行力は十分に強化されたところでございます。また、官製談合防止法につきましては、これは議員立法でございますけれども、各党におきまして見直しのための検討が行われているというふうに承知しているところでございます。

○又市征治君
 答えになっていないんですね。引き続きしっかりと検討いただきたい。
 例えば、この課徴金の問題も六%を一八%に上げようとしたんでしょう。これに実は、正に日本経団連などはこの独占禁止法に猛烈に反対をされた。そして、この人たちは何を言っているのか。
 公共発注のほとんどは発注者、つまり官の側が関与しているんだ、こんなふうに開き直っているじゃありませんか。
 こういうのをどうするかということが問われているんですよ。これは公取委だけじゃなくて、政府がどうしていくかということが問われているんです。

 同時に、私は、初めに特定財源ありきの制度、こういったものがあって、事業の必要性よりもとにかく予算を組め、こういう風潮を生み出して、これが長期かつ大規模な談合とそれを仕切る天下り官僚のシステム、ひいては官製談合の温床になっている、こういうことがずっと言われてきたんじゃないですか。ここのところを本当の意味で真剣に取り組むかどうか、私は政府の本当に姿勢が問われているんだろうと思うんです。その点、どうも総理からさっきの話は余りしっかりした答えが返ってきたというふうに私は思えません。

 そこで、財務大臣にお聞きします。
 特別会計の問題に入っていくわけですが、この道路特会に限らず、財政審の特別会計小委員でも各省が自分の予算だと特別会計を思い込んでいる、ここに根本的な問題があるんだと批判されていますよね。この制度化した特定財源の既得権扱いというものをどういうふうに財務大臣は改善するお考えなのか、改めてお聞きします。

○国務大臣(谷垣禎一君=財務大臣)
 委員がおっしゃいましたように、特定財源というのは見方を変えれば実に便利な制度なんですね。特定の公共サービスの負担と受益の関係がはっきりしている場合にはなかなか合理性があって、それで特にその事業の緊急性、必要性が高い場合には比較的、安定的に財政資金を確保できるというメリットがあるわけですが、その反面、税収の使途を特定しているということを長く続けておきますと、財政配分が偏ってしまったり硬直化すると、資源の適正な配分がゆがんでくるというデメリットがあるわけですね。

 だから、したがいまして、こういう厳しい財政事情の下では財政資金の有効な活用を図っていくというのが何よりも大事でございますから、特定財源制度についても聖域を設けちゃ私はいけないと思います。聖域を設けることなく、そのときの社会経済状況の変化を踏まえながら精査をして、必要でないものは改めていくということをやらなければいけないと考えております。

○又市征治君
 そこで、特別会計のもう問題点というのは全部分かっているわけですよね。
 例えば、道路特会でいえば直入の揮発油税と一般会計を経て入る道路財源、税源合わせて毎年三兆五千億円、これやっぱり囲い込みになっているわけですよ。しかし、使い切れなくて約三三%、二兆円も次年度繰越しと決算剰余金の形でため込むという形になっている。

 電源特会でいえば、電源開発税を基にした剰余金が毎年二千五百億円からあるいは三千億円ある。その一方で、出資残高が核燃料サイクル機構に対してだけでも一兆四千六百九十億円もあって、これが今年の十月には合併によってもう減資されてゼロになろうとしている。石油特会も同じような話ですよ。

 こうした過剰な聖域化が談合や空予算やばらまき交付金の温床になっているというのはさっきから申し上げていることで、それを人的に担保しているのは正に特権官僚の天下りですよ。

 こうした弊害を改めるには、もう特定財源や剰余金の制度を改めるしかない、こういうことになると思うんで、今年、それこそこの決算委員会としてはこれで最後の質問になりますから、もう一度改めてここのところ財務大臣の決意をお聞きしたい。

○国務大臣(谷垣禎一君)
 私の前任の塩川大臣が、これはもう大変人口に膾炙した言葉ですが、母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きを子供たちが食っているのはけしからぬとおっしゃいまして、全部特会制、特別会計制度を見直ししていこうというんで総ざらい的にやりました。これが平成十六年度であります。平成十七年度もさらに、三十三あるうち三分の一について更に深掘りをいたしまして、細かくは申しませんが、幾つか成果を現しております。
 今後、これは引き続き見直しを継続的に行っていくべきものと考えておりまして、私どもも全力を挙げて当たりたいと思っております。

○又市征治君
 そこで、大臣ね、その問題を各省庁と十分相談しながらとあなたすぐ、この間のときもおっしゃるから、各省庁と相談している限り、大体特定財源囲い込んでいるのは各省庁なんだから。これは相談したら駄目ですよ。そういう意味では、あなたのやっぱり英断を、しっかり頑張っていただくということがなけりゃいかぬ。

 そこで、総理にお伺いをするんですが、私は、この三十一特別会計、この三年間ぐらいずっと特別会計、ここで私は追及してきました。
 三十一の特別会計で、年間純計で、純計額で二百五兆円、うち十四兆七千億円、財務省の仕分によると、これは事務事業、その他事務事業だと、こういうふうに仕分がなっている。じゃそれは全部削っていいという項目を言っているんじゃありませんよ。たまたま仕分がそうだ。だけれども、この仕分された十四兆七千億円のトータルのものに対しては、少なくとも削減ある程度可能なものもあるんじゃないのか。だけれども、今申し上げたように、財務大臣は、非常に言語明瞭なんだけれども、ものを具体的に進んでいくとなると各省庁と相談してと言われるから特別会計の改革がなかなか進まないんじゃないか、こう申し上げるので、そこで総理にお聞きしたいのは、道路特定財源の見直しを財務大臣にこの間、二十何日でしたか、二十四日でしたか、指示されましたね。で、剰余金、そういう点でいえば剰余金はさっき私申し上げたように電源特会だろうと石油特会もみんな同じこと、たくさんある。
 特別会計問題を全省庁にまたがる改革としていくために、総理お得意の分かりやすい総枠削減目標というものをここに導入してでもやはり削減を図る必要があるのじゃないのか。この点について総理、しっかりとお答えをいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 この特別会計の見直しという問題につきましては、塩川前財務大臣の時代から、大変分かりにくい問題だけれどもしっかりとこの特別会計にメスを入れていかなきゃならないということで引き継いだ谷垣財務大臣も、現在、この見直しについて真剣に取り組んでおります。
 そこで、この特別会計というのにはいろいろ経緯があり、各役所によっても特別会計によっても事情が違うんです。調べれば調べるほど、なるほどなという理由もあるし、そういう理由を言っていたらいつまでたっても見直せないという点もあります。
 これはしっかりとやらなきゃならないということで、継続してやっていかなきゃなりませんが、一例の、今、又市議員が指摘されました道路特定財源一つ取ってみても、これは自動車を利用しているから自動車なりガソリン等に税金を掛けていこう、これは、当然こういうことは自動車利用者、道路を造るということになったらば御理解いただけるんじゃないかといって創設されたわけでありますが、いざ、今見直しを進めていきますと、この道路特定財源、どうやって見直せばいいかということを今検討しておりますが、細かいことは申しませんが、ガソリンは日本はかなり高い税率を取っております。これはもう石油資源がないということから、あるいは環境の面から、と同時に道路を造っていかなきゃならないと、ほかの、予算やりくりして、ほかの税収を充てることはできないということから取っているわけですが、これに対しても、財源がないということで暫定的に高い税率を設けているわけですね。見直すんだったらまずそれを減税すればいいじゃないかという議論も起こってきます。
 今、最近、環境税というのが出てきました。これも特定財源なんですよ、環境税ということをもし設置すれば。これは今後の大きな税制改革の一つの議論でございますが、道路特定財源は道路だけじゃないということで、環境に配慮したほかの部分にも拡大をしてまいりましたけれども、まだまだ一般財源化するという点については異論が強い。
 この道路特定財源のみならず特別会計については、やっぱりそれを設けた過去の経緯と各省庁の理由等も聞かなきゃなりません、調査もしなきゃなりません。その各省庁の言い分を聞くなということでありますが、これ、聞かないでやると、また独裁とか独断専行とかいう問題も出てくるものですから、これはやっぱりよく事情を聞いて、そして理解を求めながらやっていかなきゃならないと。
 確かに大きな問題であります。できるだけこのような特別会計、各省庁の縄張になっているものではないかと、そういうことを打破していかなきゃならないという趣旨だと思いますので、その点はよく肝に銘じて、今までなかなかメスの入れにくかったこの問題についてもしっかりと見直しを進めていかなきゃならないと思っております。

○又市征治君
 細かいことも言ってください、細かいことは言いませんじゃなくて。
 本当に二百五兆円も、これだけの純計ですよ、一年間で。一般会計の純歳出の六倍にも上っているわけですから、これはやっぱり是非しっかりと物を聞くんなら聞いて、とことんやっぱりメスを入れていただかないと、一方で財政危機だ、あっちでこっちで福祉や社会保障は削りますという話じゃこれは国民納得しないわけであって、そこの点はしっかりとやっぱりやっていただきたい、こう思います。

 時間がなくなってまいりましたが、最後にコンピューターの問題。
 さっき松井委員からかなり詳しくお聞きになりましたから、私は簡単に後追いでお聞きをしておきますが、各府省のコンピューターシステム、レガシーシステムが年間維持費十億円以上のもので三十六システム、〇三年度の中で言うならば三千九百億円もの予算があったと。会計検査院が自らの運用委託費を見直しをして随契から競争入札にしたら三十分の一まで経費が削減をされたと、こう言われています。
 IT担当大臣にお伺いをしますが、当委員会でも今日改善の措置要求決議を行う、この場で行う予定ですけれども、いつまで、どのように対処するお考えなのか、今の時点の考え方を明確にお答えいただきたい。

○国務大臣(棚橋泰文君=内閣府特命担当大臣<科学技術政策、食品安全>)
 お答えをいたします。
 レガシーシステムのお話、私どももこれは真剣に取り組んでまいりましたし、先ほど松井委員にもお答えをいたしましたが、更にきちんと努力してまいりたいと思います。
 御質問の件につきましてですが、例えばオープンシステムにすると、あるいは随契を競争入札にするということなども含めて業務効率をきちんと向上していくという視点が大事だ、それが経費の削減につながるという観点で、現在、今年度末までのできる限り早期にということで、それぞれの業務・システムの最適化計画、これを策定することにしておりますので、最大限頑張ってまいりたいと思います。

○又市征治君
 終わります。