第170回臨時国会

2008年10月16日 総務委員会



(1)政府の誤算による大幅な歳入不足のツケを地方に回すな
(2)予算委員会では総務大臣も口にした交付税減額への疑問
(3)減額された交付税の復元を盛り込んだ社民党の経済対策
(4)大臣「又市氏の言う復元は絶対やらなければならない」
(5)限界集落対策は総務省が中心となって効果的対策を急げ
(6)新宿の雑居ビル火災の教訓が生かされていない消防行政
(7)立入検査件数は減少し実施率は25%にまで落ちている
(8)消防職員の充足率が76%では予防査察に人が回らない
(9)緊急地域雇用創出事業を復活させ人員の充足を図るべき
(10)米国発の金融危機により郵便局の利用者の資産が目減り
(11)郵便局が1万円で売った投資信託が今わずか5千3百円
(12)貯蓄より投資と煽っておいて元本割れの責任も取らない
(13)投資減税をさらに延長するというのはとんでもない話だ


○又市征治君
 社民党の又市です。
 この法案(地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案)による地方財源六百五十九億円の補てんについてはいろいろと議論もございますが、せっかく今度の国会では鳩山大臣が誕生して、かつ鳩山さんと意見を交わすのはこれっきりしかないんじゃないかなと、こう思いますから、昨日所信表明的ごあいさつもいただきましたので、少しそちらの方に重点を置いて質問をしてまいりたいと、こう思っています。

 ただ、この関係については一つだけ。補てん前の原資は道路特定財源でありましたけれども、今回はその補てんは一般財源で行うということにされているわけですから、これは明記されるべきだろうということは申し上げておきたいと思うんです。
 なぜかというと、財務省の誤算によって今年度の国税、とりわけ法人税などが大幅な歳入不足が予想される。これは昨日、おとついの麻生総理も予算委員会で、法人税は多分猛烈な勢いで落ちる、減収はどれだけか正直想像を超える、こんなふうに述べておられるわけですが、その前からもう財務省の試算が狂ってしまっていたということがあるわけでありまして、そうしますと、今回の補正ではこの一兆八千億の問題では全く触れられてないわけだけれども、年度末には恐らく国税規模でいうならば二兆五千億から五兆円ぐらいまでの幅になって落ちるのではないか、こう予想されているわけですね。これを交付税に換算をしますと七千五百億円から場合によれば一兆五千億円ぐらいの不足が生まれるんじゃないのか、こんなふうにも想定をされるわけで、そのときにまた国の誤算で、常に財務省の誤算を地方にまるでツケを回す、こういう話はないじゃないか。
 二月に私申し上げたんだが、やはりもう国も見積り誤りを交付税特会の借入れ、つまり自治体にツケ回しやるのはやめてもらいたい、こんなふうに思うわけですが、この補てん分については、是非総務大臣としては一般会計、つまり財務省に求めていく、こういう方向での努力方、その決意のほどをまずお伺いしておきたいと思います。

○国務大臣(鳩山邦夫君=総務大臣)
 今までも地方の税収不足というのは何度も起きておりますし、とりわけ交付税の原資が今回非常に減が起きるということであれば、まさに交付税の不足が出てくるわけでございまして、過去にもいろんな例があって、これは又市先生おっしゃったように、特会の借入れでやってきたから、特会の借入れは国の特会の借入れだから国の責任という気もしますが、やっぱり地方の借金というふうに計算されてしまう。それが今三十三兆六千億になっているということを考えますと、今回また交付税の不足が出た場合にどうやってこれを埋めるかと。埋めなければ地方が立ち行かないわけですから、この埋め方、懸命に考えて財務省と交渉していって特会の借入れでない方法で何とかしたいと、こう思っております。

○又市征治君
 是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地方交付税本体についてですけれども、予算委員会でも随分とありました。麻生総理が総務大臣であった時期を含めて額面で五兆円、累計で二十兆円が切り下げられてきた。そのからくりは基準財政需要額、特に市町村分の計画的に圧縮を迫られたということがあったわけで、これは私は何度もこの委員会で指摘をいたしました。
 だから、地方の再生にはこの需要額の計画的な復元が欠かせないんだろうと思う。四月十七日の当委員会での澤井公述人も、新たに算定すべき需要額が例えば介護だけでも一兆円もあるじゃないかと、こういう御指摘をなさっています。鳩山大臣も先日の予算委員会などで、三位一体改革は税源移譲と補助金とで均衡させるべきだった、交付税の減額をしたのは疑問だと、こういう趣旨のことをおっしゃっているわけでありますけれども、そういう意味でいうと総理も、先ほどもお話がありましたけれども、回ってみて、やっぱりちょっと反省せにゃいかぬかなという、そういうニュアンスね、昨日もおっしゃっているわけだが。

 そこで、どうやってこれを地方を元気付けていくのかと、じゃ。さっき内藤さんからいろいろとその話は根本のところありました。私ども社民党はこの道路財源、一般財源化するという話になったわけですから、そういうことの活用も含めて交付税の減額分の復元をするように、八月に生活と地域の底上げ宣言というのを出しました。今年度も半分は過ぎてしまったわけですが、とりあえず特別交付税の加算で六千億ぐらいはやっぱりやるべきじゃないか、やろうと思えばその道路特定財源の活用できるじゃないかと、こんなふうに私たちは提案をしているんですが、この考え方、私どもの提案について、大臣どのように御感想を持たれますか。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 こんなことを言っていいのかどうか分かりませんけれども、私は三位一体改革というのがよく理解できなかったんです、当時。とりわけ、かつて文部大臣をやっておりましたものですから、義務教育国庫負担金を大体二兆四、五千億だったかと思いますが、これを、二分の一ですよね、これを三分の一にする補助金の減額。しかも、最初に補助金が四兆円とか、最初四兆円でそれが四兆七千億なんという数になってくるわけですけど、最初に数字が出てきておって、それに見合うものがないかなと、義務教育はでかいなと。
 しかし、義務教育というのはそれこそユニバーサルサービスなんですね。サービスという言い方がどうか分かりませんが。全国一律どこでも教育水準を維持するということなんで、最初は中学校だけなくすとか、結局は二分の一を三分の一と。何の意味があるんだろうと、この補助金の削減は。だって、一般財源化はするんでしょうけれども、きちんと全部やらなくちゃいけないんだったら、やらなくちゃいけないお金を、二分の一今まで補助していた、全額補助したっていいんじゃないかと、国が。義務教育みたいに一律にやらなくちゃいけないものは。という論陣を張り続けておりまして、どうもいわゆる三位一体改革の議論の中で、何か余り気持ち良くなかったんですよ。最終的に四兆七千億補助金を削った。なら、税源移譲が四兆七千億だったらいいんじゃないかと思うのが、三兆円の税源移譲をやった。これは所得税から住民税へ三兆円移したというのは驚異的なことなんだと、こんなことは歴史上なかったすばらしいことなんだと言うけど、しかし金額が四兆七千億円補助金削っておいて何で三兆円だと。あと一兆七千億円はスリム化で頑張ってごらんとか、交付税で見ますからって、何だかよく分からない部分が随分あったんです。
 それで、その三位一体というのは、じゃ、ニケーアの宗教会議で出てきた言葉で、何か三つ一緒にすればいいという、これは中国の思想かもしれませんけれども、三という数字がいいんで三位一体と言ったかもしれないが、そのときに何で、それはもちろん国もスリム化をやる、地方もスリム化をやる、そんな中で何で、あれ交付税の改革が入ってきたのかなというのは最後まで分からなくて、結果五兆円減っちゃった。それが今はボディーブローのように効いていることは間違いがないわけですから、この又市先生おっしゃる復元というのは、徐々にではあっても絶対やらなければならないことだと私は思っております。

○又市征治君
 まあ大臣えらい演説好きだからあれだけど、私が聞いたのは、道路特定財源なんかの活用を含めて、是非それは今あなたが言ったような復元やっていかにゃいかぬと、その一つの方法だと。前段のあなたのあいさつは内藤さんの答えだ、それは。まあまあそれはいいけど。

 そこで、関連して、いわゆる限界集落、これ総務委員会で四月に京都まで全部で行ってきましたよ。つまり、集落が集落として成り立たない、そうなってきている現状について、私は昨年の臨時国会、それからさきの通常国会でも何回か総務大臣や総理にもただしたわけですが、皆さん一様に、集落の消滅は防がなきゃならぬと、こうおっしゃっているわけだが、その後、総務省としては、交付税や新しい地方債など、これは総務省が中心的にやるべきだと私はずっと主張しているんだけれども、これを守る対策をどのように検討されているのか、そこらのところをお伺いします。

○政府参考人(椎川忍君=総務大臣官房地域力創造審議官)
 集落対策の現況について御説明をしたいと思っておりますが、過疎対策につきましては、国、県、市町村がそれぞれの役割を果たしながら総合的に取り組んでいく必要があると思っておりますけれども、最も基本的なことは、今御指摘ありましたように、そこに住んでいる人たち自身が地域の現状を正しく把握して将来像を明確に持つ中で本当に必要な対策を講じていくということが必要だと思っておりまして、言ってみれば自治の最小単位ともいうべき集落が元気で活力を持って取り組んでいただく必要があると思っております。
 これまでも過疎債とか辺地債で市町村による道路とか下水道の整備、あるいは安心、安全の基盤となる医療、介護、福祉の確保の支援を行ってまいりましたけれども、こうした中で過疎問題懇談会というのを昨年から私ども持っておりまして、その中で、四月に中間的な議論の整理と併せまして集落対策についての大変新しい本質を突いたような提言をいただいております。
 この中身をちょっと御紹介させていただきますと、集落の住民が集落の問題を自らの課題としてとらえて、市町村がこれに十分目配りをして施策を実施していくことが重要で、集落に実際に足を運んでその在り方を住民とともに考える集落支援員というのを設置をして、集落点検を実施をしていただいて将来の在り方について話合いを進めるべきだ、こういう提言をいただいたところでございます。
 私どもとしては、新たな過疎対策の取りまとめを待つことなく、このことについては、直ちに今年度からこの集落支援員設置などを市町村が行った場合に新たに特別交付税で支援をしていこうということを考えておりまして、既に地方自治体にもその旨を通知させていただいたところでございます。
 そうした集落対策について、今後とも、自治体のみならずNPOとか各種の地域づくり関連団体とも十分に連絡を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

○又市征治君
 今年の六月九日の決算委員会だったと思うが、福田総理も、地域活性化統合本部などで省庁横断的に地方再生戦略を取りまとめて、地域のニーズをきめ細かくとらえながら何だろうとこの消滅を食い止めていきたいと、こう強い決意を述べておられるわけだ。やっぱり総務省がこの先頭に立って、省庁横断的にと、こう言っているんだから、やはりしっかりと対策を立てて、七千八百七十八か所なんて言っているけど、あっという間に一万か所になってしまいますよ。そこのところの対策をしっかり取っていただくように要請しておきたい。

 そこで、次に消防問題。山下さんとダブりますが、私は、残念ながら、本当に七年前もこの委員会でその問題を何回かやりました。どうも七年前の新宿歌舞伎町の火災問題が、教訓が生かされていない、こんな気がしてなりません。
 予防には事前の立入検査、命令がかぎになりますけれども、驚いたことに、歌舞伎町火災が起きた二〇〇一年をピークに、さっき山下さんがおっしゃったように、立入検査件数がどんどん減って、実施率は二五%までに落ちている、命令件数は若干増えているけれども。つまり、簡単に言うならば、先ほどの話がありますからはしょって申し上げるけれども、現実に、これも私、今年の五月に指摘をしたんだけれども、消防職員の充足率が七六%、全体として。ひどいところは、何のことはない、六五%しかない。つまり、三人いるべきところを二人しかいない、こんな格好になっているから現実にこの予防査察などに人が回らない、こんな格好になっている。機械を何ぼ一〇〇%設置したって、動かすのは人間ですよ。
 そういう意味で、やはりあのときにそういう事前の査察などというのができていなかった、そこらのところは法令を変えていくという、あるいはそのことを規制をしっかりしていくということが大事なことである。だけど、一方で、やっぱり人間のやる仕事だから、それをきちっと事前の査察をやっていくということは当然大事だということを何度も指摘してきた。そういう意味での予防要員、これを実質減らしているわけでね。
 そこで、現実問題としては、これは本当は答弁いただきたかったけど、大臣長くしゃべったから時間がなくなったから私の方で先に言うけれども、現実に職員は若干増えているんだけれども、兼職をしている人たちが増えているわけで、実際上の予防要員というのは四百三十一人も減っている、こういう数字でしょう。後でもし間違ったら言ってもらいたいけれども。

 そこで、大臣、今度は簡潔にお答えいただきたいが、二度あることは三度あるわけであって、先ほどの決意で大体分かりますけれども、早急にやっぱり人員を充足すべきですよ、こんな七六%なんてばかな話じゃなくて。四人いるところを三人しかいないわけだから。
 七年前、私は、発足したこの緊急地域雇用創出事業を適用して、当時建設業や不動産業で多数の失業者がおられました。こうした経験のある人たちに委嘱をして法令に沿った査察を徹底すべきだというふうに提案を申し上げて、これをのんでいただいて、三年間で雇用数で四千五百四十八人、事業費六十二億九千万円余りを注ぎ込んでもらって査察を強化いただいた。だからこの命令件数が多くなったわけですよ、きめ細かくやったから。

 そこで、大臣、今この事業は三年間の事業だったものだからなくなったわけで、我が党は、さきに申し上げたこの生活と地域の底上げ宣言の中でも、今後の雇用情勢など考えるとこの復活は必要ではないかなと、こう思っているわけですが、こうした査察こそ法令に沿ってしっかりとやるべきでありますから、二五%しか行われていないこんな査察、どうしてもこの充足をしっかりやるように、これは決意を是非述べていただきたい。

○政府参考人(岡本保君=消防庁長官)
 状況だけ私の方から説明させていただきます。
 今委員御指摘ございましたような消防職員、それから予防の要員の数についてでございますが、消防職員全体につきましては、平成十五年から十八年で十五万五千人が十五万六千七百人強になるということで、全体、地方公務員が約四%弱ぐらい減っております中で、消防職員全体としてはプラスの一%程度の増加を、その苦しい財政の中で、全体として行革を進めている中で充実をいただいていくことで努力をしていただいているというふうに思っております。
 予防の要員につきましては、平成十五年におきます数は一万一千二百五十五人、それから予防の要員は、十八年につきましては一万三千三百五十三人でございますが、今委員御指摘ございましたように、消防の車両搭乗員、言わば警防と兼務しながらやっていらっしゃる職員が二千五百人ほどおられるということから、その数を引いた数でいきますと減るというふうに委員は御指摘いただいたと思いますが、これらの兼務職員は、発災時には消防車両に搭乗するわけでございますが、通常はそのチームで建物に行くとか、あるいは査察したものを検証してどのような措置命令を出すことが適当かというような予防業務にも従事しているということでございますので、全体とすれば、十五年から十八年の中では、非常に厳しい中で予防要員の数といったものに、非常に査察は大事でございますが、いろいろ御努力はいただいているというふうに考えております。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 十分努力する決意でございます。

○又市征治君
  是非しっかりとこれ、二度あることは三度あるということですから、本当にしっかりやっていただきたいと思います。

 そこで、今日は郵政株式会社からも見えていただいておるわけですが、今アメリカ発の金融危機が世界を襲っておりますけれども、それが郵便局を利用している庶民の零細な資産にまで目減りをもたらしている事実があるんではないかと思うんです。
 そこで伺いますが、郵便局で二〇〇五年からこれまで扱った投資信託の販売額は延べで幾らなのか。また、基準価格一万円が今幾らになっているのか。十六種類ほどありますが、最も高い銘柄と低い銘柄、教えてください。

○参考人(米澤友宏君=日本郵政株式会社専務執行役)
 お答え申し上げます。
 ゆうちょ銀行におきます投資信託の販売は郵政公社時代の二〇〇五年十月から開始しておりますが、本年九月までの三年間の販売総額、販売額累計は一兆三千四百九十三億円でございます。また、基準価格につきましては、十月十五日現在最も高いものが野村世界六資産分散投信安定コースで八千九百四十五円、最も安いものがDIAM世界リートインデックスファンドで五千三百三十八円でございます。
 ゆうちょ銀行といたしましては、従来より口座全体の評価損率が一定率以上のお客様に対しましてアフターフォローを行っているところでございますけれども、特に最近の厳しい投資環境下におきましては、通常の相場下落時よりも密接な情報提供を行う等、より丁寧なアフターフォローを心掛けているところでございます。

○又市征治君
 大臣、お聞きのとおりでありまして、郵便局で投資信託を扱うという法律を審議したのは二〇〇四年十二月だったんですが、私はその当時、元本割れを起こすんではないのか、郵便局の信頼性を損ないかねないし、郵貯の役割はリスクの高い金融資産としてではなくて庶民の小口の、日常の小口の決済手段だ、これに対して投資信託は元本の保証がなくて普通は証券会社へ行って買う商品だ、公共性を守る郵便局で扱う商品じゃないんじゃないかということで、これは反対をいたしました。
 全国津々浦々の郵便局でこれを買った庶民は、郵便局員に強く勧められて、なけなしの郵便貯金を投資信託に切り替えたかもしれない。こういう格好に今なってきている、郵便局の信頼を落としている。今最低の商品は、お聞きのとおり、基準価格が一万円のやつが五千三百三十八円ですよ。半分だ。こういう格好で損失率四七%、こんな格好になっている。

 そこで、大臣、時間がなくて、本当はもうちょっと言いたかったんだけれども、郵政民営化全体がそうですけれども、貯蓄よりも投資だといってあおって、元本割れしても責任を取らずに、今回また投資減税を延長するなどという政策は、少なくともこれは庶民の目から見たらとんでもない話だということになるんだろうと思う。この点について、何か教訓得られることがありましたら、大臣のお言葉を聞いておきたい。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 今日の強烈な日経平均千八十九円安という、下落率一一・四一%というと、投資信託の基準額からの割り込みもまた一〇%ぐらいひどくなるんでしょうか。
 ですから、これは確かに、元々郵便局、郵便貯金というのは最も堅いものですから、今ゆうちょ銀行は実際ほとんど国債を運用していますけれども、投資信託を売って、これは非常にばくち性が強いもので、こういう事態が起きておることはただひたすら残念で、景気回復で株価が上昇することを期待をするしかないなというふうに思います。

○又市征治君
 終わります。