第170回臨時国会

2008年12月18日 総務委員会



(1)地方交付税の1兆円増額策も単年度では全く意味がない
(2)派遣切り対象者を支援する自治体に国も積極的な支援を
(3)日本の総労働時間1966時間は他国に比べて長過ぎる
(4)実態を無視した人員削減が慢性的なサービス残業を生む
(5)過度の残業は他の雇用を奪い雇用情勢を一層悪化させる
(6)日雇いで時給782円という官製ワーキングプアの実態
(7)市町村の現場では10人中3人が非正規職員に置き換え
(8)常勤を望みながらも低賃金で定期的に首を切られる処遇
(9)政府が自治体に対し職員削減を強いる手法はやめるべき
(10)非正規職員の最低賃金や各種手当のガイドラインを示せ
(11)非正規職員にも誇りと希望を持って働けるような保障を
(12)雇用保険にも入れない人々のセーフティーネットが急務
(13)医療も雇用も年金も皆保険という原則を守る努力が必要


○又市征治君
 社民党の又市です。
 人事院勧告に基づく両法案(給与法改正案等)でありますから、これはもう当然賛成をいたします。それに関連をして、幾つか質問してまいりたいと思っています。
 その具体の質問に入る前に、大臣に二つ確認というか見解を承っておきたいと思うんですが、大変御努力いただいて、道路特定財源から一兆円持ってきますという話だったやつが何か随分形は変わったようだけれども、地方交付税は一兆円、何だろうと増やしますということが成るようですけれども、これは単年度じゃ全く意味がないわけで、やっぱり五兆円削られたものはこれ何とか復元せにゃいかぬというような大変強い決意を申されたし、ここの委員会でも随分出た問題です。このことについて、今後ともどういう御努力なさるのか、この点をまず一つはお聞きしたい。

 もう一つ、ついでに併せて雇用問題、大変に深刻な、ここ、事前通告していなくて申し訳ありませんな、大分でキヤノンのああいう首切り問題が起こって、自治体がこれはもう見るに見かねて、何とか、じゃ自分のところの臨時職員ででも採用枠つくろうと、こういう努力をなさっている。この問題は、自治体が余裕があってやっておるわけじゃない。大変なことだということで、そういう努力をなさっていることについて、これは国としてはむしろ積極的な支援をする必要があるだろうと思うんだけれども、このことについて大臣としての決意と、この二つ確認しておきたいと思うんです。

○国務大臣(鳩山邦夫君=総務大臣)
 前段のことは、麻生総理が、道路特定財源が一般財源化するに際しか、一兆円のお金を国から地方へと、最初の発言をされたと。
 結果的には二つで、一つが基盤創造交付金。まあ一兆円からちょっと削られるようですが、これはブロードバンド等にも使えるお金で、これは元々、今度名前が変わるわけでしょうけれども、ガソリン税の四分の一の約七千億というお金でございますから、これがすぽんと一般財源化に伴って外れていくわけですから、それに道路目的財源として使われていた幾つかのもの、どれをどう、具体的には私はそれほど詳しくないですが、幾つかをくっつけて約一兆円のものができると。
 もう一つは、私が一兆円の自由に使えるお金は地方交付税でなくちゃ駄目だと言い続けてきたことを最終的には一兆円という形で決着をすると思います。それは今日の午後の閣僚折衝で、私、敗れ去る可能性だってゼロではないわけですから、頑張りますけどね。まあ総理の指示ですから、何とか通さなくちゃいかぬ。これ、やっぱり単年度というわけにはいかないから、しかし、今財務省がすぐ約束をするとまでも言えないから、何らかの覚書か何かに持ち込めればなというふうに思っています。
 それから、先生がおっしゃったのは杵築の件でございますか、新聞に非常によく出ておりますが、キヤノン関係等。これは自治体が、雇うとかあるいは住居の面倒とか見るような、そういう緊急性のある仕事をしてくれた場合には、つまり二次補正、来年度予算間に合いませんから、まあまだ余りはっきり言わないでくれと事務当局は言うけど、私は特交で、特別交付税で対応できるものは対応をしていきたいと私は思っています。

○又市征治君
 是非、両面ともしっかりと取り組んでいただいて、この間は力業でやるかもしれぬとおっしゃったから、是非、力業ででも何でもしっかり実現をしていただくようにお願いしておきたいと思います。
 本論に入りますが、人事院は、今般、勤務時間を一日十五分短縮する勧告を行われてこれは法案になっているわけですが、これは民間実態を踏まえたものですから当然のことだということですけれども、それにしても我が国の総労働時間、これは随分と多い。依然として千九百九十六時間、こういうわけで、他の先進国に比べても相変わらず長い。ドイツなんかは千五百時間でしょう。そういう状況からいくと、大変に長いというのが実態です。

 国家公務員の超過勤務の実態はどうかということで、資料もいただきました。昨年は、最大が社会保険庁の本庁で六百七十時間、ここから始まって、その後、二位が国税庁の五百九十一時間、三位が財務省の五百五十一時間、四位が法務省の四百十三時間など、人事院が定めた三百六十時間以内というのを全部上回っているのが十三、本府省でありますよね。大変な数字ですよ。で、この十四位以下もじゃどうかというと、三百六十時間すれすれの府省が五つぐらい並んでいるわけで、どうも人事院がそう言うから仕方なしにその枠内に抑えたということが実態であろうと思う。率直に言えば、出されている、今人事院が発表しているのは超過勤務手当を払った時間数でしょう。大体その大臣の後ろに座っている人たちなんというのは、現実問題、大体聞いてみると、そんな実態じゃありませんよと。ほとんど、むしろこの超過勤務を払わないで残業しているサービス残業が物すごい多い。こんなのはもうだれもがみんな当たり前のことと分かっている、こういう状況でしょう。

 そこで、総務省はここのところを、国家公務員全体の職員の待遇問題をつかさどるところですから、本気でこの実態の超過勤務の縮減指導をやっぱり図るべきだと思うんですよ。そういう点で、少なくとも職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁して、帰りたくても帰れない、超勤手当も出ない、こういうサービス残業の実態が多いというのが現状ですから、払った時間とは別に在庁時間調査、これを是非しっかりとやるべきだと。人事院も、ちょっとお聞きをしたらこれには着目されているようですけれども、是非、総務省、その調査をやるつもりはありませんか。

○政府参考人(村木裕隆君=総務省人事・恩給局長
 今先生から御指摘のございました調査につきましては、本年の人事院報告におきまして、人事院では、本府省において、正規の勤務時間終了後、職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって存在している実態が見受けられると、こういう御指摘をされております。そういう御指摘がございますので、本件に関します各府省の実態把握につきましては、超過勤務縮減対策の一環として、人事院がフォローされて取りまとめを行っていくという具合に伺っておりますが、当省といたしましても、人事院及び必要に応じて他の関係機関とも連携をしつつ、協力しながら適切に対応してまいりたいという具合に考えております。

○又市征治君
 人事院が言ったからではなくて、もう少し総務省は、公務員全体をつかさどっているんだから、しっかりやっぱりやるべきだよね、それ。積極的にやってください。

 次に、人事院に伺いますが、こうした慢性的な残業やサービス残業を生んでいる原因の一つというのが、さっきも出ていましたけれども、やはり実態を無視した職員の純減、大臣もこれは問題だとおっしゃったような。
 仕事は一方で増えているのに、片一方で、何だろうと政治の分野から五・七%削れ削れと、こういうやり方やっているからますますこんな状態が起こってくる、こういう状況だと思うんですね。仮に一人当たり三百六十時間超勤をしているとすれば、これは単純に言えば五人の職員で実は一人の雇用を奪っている、こういう計算になるわけでしょう。六百時間もし残業しているとしたら、三人で一人の雇用を奪っている。雇用情勢厳しいときに残業ばかりやって、それでこういう雇用を奪っているという、こういう状況になるわけですから、だから、非正規の労働組合からもワークシェアリングやってくれという要求も出ている。そういう意味で、実態調査というのは強く求めたい、こう思っているわけです。
 定数削減のもう一つのしわ寄せが、先ほどからも出ていますが非常勤職員などの多用、こういうことですね。つまり、公務員においても非正規労働者への置き換えが進む。官製非正規、官製ワーキングプア、こういう状況だと思うんですよ。
 人事院が、人事院の八月下旬の指針で、非常勤職員にも通勤手当の実費支払であるとか給与規程の整備を各省に要求されたことは一歩前進だと思いますけれども、まず基本となる給与は正規職員の初号をベースにとあるわけであって、初号といえば、時給に換算をしますと七百八十二円にしかならないわけです。これで一体全体、おまけに日雇でしょう。これでこの人の生活というのが保障できるというふうにお思いなのかどうか。こんな格好じゃもう話にもならないということだろうと思うんです。
 この指針に言う職務内容、勤務地域あるいは勤務経験等での調整というのが入っていますが、これはどのぐらい加算できるというふうに見ておられるのか、ちょっとお答えください。

○政府参考人(吉田耕三君=人事院事務総局給与局長)
 指針によりまして、行政職と類似の事務補助を行う非常勤職員の基本となる給与を決定する際には、行政職俸給表(一)の一級の一号俸を基礎として、在勤する地域や職務経験等を考慮して決めるというふうにしております。
 例えば本府省で勤務する非常勤職員について申しますと、地域手当、これは本省の場合一六%付いておりますので、一六%の加算によりまして、行(一)の一級一号俸をベースにしたこの額というのは九百七円という額になります。さらに、職務経験がある場合については一定程度の加算をするという仕組みになっておりまして、もうこれは省庁によって加算の程度というのは違っておりますが、百円ないし二百円程度上積みする例があるというふうに承知しております。

○又市征治君
 いずれにしても、人事院勧告の基礎になってくるのはやっぱり生計費が問題なんでしょう。そうすると、こんな格好で、都会部でこんなこと、生活できるわけがない、こういう状況があるわけですから、ここらのところは、一歩前進はしているけれどもまだまだ不十分ということで、是非その努力はやってほしい、こんなふうに申し上げておきたいと思います。

 そこで総務大臣、自治体でもこの非正規労働者が非常に増えています。三年前の総務省の調査でいうと非正規が四十五万だったけれども、今年の四月の調査では四十九万九千三百人だと。一一%増えている。これはやっぱり、さっきから申し上げているように、現実に正規職員を減らしている分、こんなところで無理が掛かってきているということを表しているわけですよ。
 この自治体関係の労働組合である自治労も同じ時期に独自の調査をされていますが、こちらの側は、逆に言うと推定で六十万、こういう数字ですよ。でかい大変な話だ。そういう意味で、名称は非常勤とか臨時とか言いますけれども、十二万人がルーチンワークの一般事務職で、ほかに保育士や教員や給食関係などなどと、こうなっているわけですが、特に市町村では今や職場の十人のうち三人が非正規だと、こういう調べの結果が出てきているわけですね。
 市町村はそれだけ合併や締め付けで、必要な通常の業務、それに見合う正規職員まで削減してしまったものだから、こういう状況になってきている。しかし、労働力は欲しい。だから、基本的業務まで非正規職員にゆだねている、こういう状況になっている。これは自治体に聞くと、しようがないんですと、こういう話ですよ。
 ところが雇われる方は、低賃金で半年か一年に一遍首切られる。昇給もボーナスもない。勤務日数が短い人も、必ずしも自ら望んでそうしているわけではないんだけれども、自治体の都合で常勤にしてもらえない人が圧倒的に多い。こういう状況でしょう。
 これでは私は、自治体の基礎的なサービスや、もう基礎的自治体の存立要件すら欠いているのではないか、こう思う。大変危機的な状態ではないかと思うが、総務大臣、こういう話をお聞きになってどういう感想をお持ちなのか。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 何度もお答えしておりますように、地方自治体は国家公務員以上に厳しいスリム化の努力をしてきました。その原因の一つは、それは昔はラスパイレス指数とかいろんな批判があったかもしれませんが、その大きな原因の一つは、全国的な行革ブームみたいなものに加えて、やっぱり地方の財政が厳しくなって、地方交付税の五兆円の減額というのもあったし、そういう中で、地方の一般歳出がピークから十三兆円ぐらい落ちるというような、決算段階で、そういう状況の中で大変な人減らしをやってきた。人減らしも国と同じペース、五年五・七%ではなくて、多分五年六・三%という結果になるんだろうと、そういう努力をしてきたし、なおかつ人件費を下げようというんで、何らかの形で給与を下げているところが大変な数に上っている、団体数でいって。
 そういう状況の中で、仕事もあるんで、じゃ、非常勤の人をいっぱい雇おうというんで、先生がおっしゃる約五十万人という数、あるいはもっと多いのかもしれない、これはやっぱり正常な姿ではない、そう思いますので、これは今後の最大の課題になると思います。おっしゃったように、半年に一遍ちょっと休ませられて契約が切れて、そのために退職金ももらえない、ボーナスをもらえるケースもほとんどないというふうに聞いております。
 さっき、私の元秘書の話を出しますが、これはしつこいようですが東大に勤めているんです。私はあそこがかつての選挙区でしたから、事務所が真ん前にあったわけで、彼が言うんですね。おまえどういう生活しているんだと、東大の生協で昼飯食っているのかと言うと、冗談じゃありませんと、東大の生協みたいな高いところで食事したら我々の給料ではやっていけないから、それはもう肉や魚の安売りのを買ってきておいてストックして、ぱっと家に戻って食べてまた戻ってくると、とても生協で、学生が食べているのが生協ですからね、生協の食堂で食べるなどという豪華な生活はできませんという、これが新ワーキングプアだと思うので、一生懸命この問題解決に努力します。

○又市征治君
 大分話がかみ合ってきましたから、それにかみ合わせながら。
 この給与実態を見ても、今給与の話がありましたからね、三分の二の人が時給制ですよね。八百円台が多くて、半数以上の人が九百円に届いていないというのがこの自治労の調査で出ていました。まさに今おっしゃったように官製ワーキングプア、こういう格好で言われるゆえんです。この人たちが少しでも安心して働けるように処遇を改善しなきゃならぬという、その努力はしますと、こういうことなんですが、大変に大臣の心強い、こういうお話で、現大臣も前大臣も、地方の再生、そのために地方自治体の財政需要をきちっと積算すると、こう力強くおっしゃる方ですから、あえてここで二つ鳩山大臣に提案をしておきたいと思うんですが。

 一つは、やっぱり地方財政計画を含めて、自治体に対するコントロールとして、職員定数の削減であるとか総人件費をメリットあるいはペナルティーに使うという、こういう手法はやめるべきだと、総務省のこのやり方は。これははっきり是非やめてもらいたい。財務省がそういう地方自治体にも干渉をどんどんどんどんやるような話は駄目なんで、財務省の干渉を総務大臣が一生懸命はねのけてもらわにゃいかぬので、各自治体にこういう干渉を総務省がやっているようでは駄目だということを一つ。

 二つ目に、人事院が非正規の国家公務員について各省に通知したように、この自治体の非正規職員について、最低賃金であるとか通勤手当、期末手当などのガイドラインをやっぱり総務省示してもらいたい。そうすべきだと思う、全く出ていないところたくさんあるんですから。
 総務省は、研究会で地方の非正規は多種多様だからとか、何かいろんな訳の分かったような理屈言っているけれども、そんなの理屈になりませんよ。一体その人たちの生活をどうするのか、ちゃんと働いているのにどうするのかということが一番根本の問題に問われている問題なんですね。
 ですから、そういうガイドラインを私は是非、人事院が出したようなものを総務省として示してほしい。非正規職員を人間として尊重して、誇りとやっぱり希望を持って働けるように、そういう条件をしっかり保障することこそが今大事なんだと思う。そのことが翻って住民のサービス向上であったり、効率的な行政のためでもあるわけでありまして、是非大臣、その点は、この二点、しっかりと並べて検討させていただいて措置いただくようにお願いしたいと思いますが、見解をお伺いします。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 確かに、人員削減したり給与を削減した場合に、行革という観点でようやりましたねといって交付税の面でそこの部分がまた面倒見られるという仕組みがあった、現在もあると思います。その意味はありましたけれども、それは確かに機能してきたと思いますが、限界を超えてはやっぱりいかぬというふうに思うことがあります。
 それから、もう一つ何でしたっけ。何でしたっけ、最後は。

○又市征治君
 ガイドライン。

○国務大臣(鳩山邦夫君
 それは総務省の権限でどういうことができるのか、それは地方自治ということもありますが、いかなる形でも要請ということは地方自治体にできますので、方法を考えてみます。

○又市征治君
 是非その点、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 時間がありませんから今日は意見だけ申し述べておきますが、本来ならば、今言った、数で言うならば総務省調べで五十万、自治労調べで六十万と推定されるこういう非正規、みんな雇用保険入っていないわけですよ。今大問題になっているこういう問題、自治体あるいは国家公務員の職場で働く人々でも、この非正規の人たちはみんなそんな格好でしょう。
 こういう状況というのを片一方で政治が放置しているという、こういうばかな話はないわけであって、ここらのところも私ども社民党としては随分と、この非正規の人々の雇用保険問題について随分と提唱してきましたよ。今これが大きな、お向かいの委員会でも今日そこらの関連の問題いろいろと議論するわけだけれども、やっぱりこういうものを抜本的に改めないと、ヨーロッパと比べたら、ヨーロッパは非正規だろうと何だろうとみんなセーフティーネットしっかりできている。ところが、日本の場合これが全くない。雇用保険もなければ健康保険にも入っていないと、こういう人たちがいるわけで、ここらのところを根本的にどうするのかという問題は、是非これはひとつ検討していただきたい。
 大臣、もし最後に見解がございましたら。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 やはり国民皆年金、皆医療保険という、皆保険というのは日本の行政のすばらしい、世界に誇れるものだと思いますね。
 だから、期間が短いために例えば国共済に入れない、地共済に入れないということがあるのかもしれないけれども、やはり皆保険、皆年金という原則をどこまで守れるか努力しなくちゃいかぬ問題だと思います、労働保険ももちろん、雇用保険も同じですが。