第179回臨時国会

2011年12月6日 総務委員会



■地方税法の一部を改正する法律
(1)被災市町村の被災前の税収総額1845億円の内訳は。
(2)復興特別交付税に計上した、地方税の制度上の減収分3000億円は根拠を公開すべきだ。
(3)減収は地方合計では、市町村に何の参考にもならない。総務省が各自治体の固定資産税、住民税など精緻な試算を早めに示すべきだ。
(4)人口や産業の落込みによる地方税の減収についても、総務省が明らかにすべきでないか。
(5)加害者である東電に対し、地方税減税は必要ない。各町村はどうしているか。
(6)電源立地交付金はいくらか。立地とは無関係に県内全市町村にも10億円交付されている。
(7)市町村の今後の財政自立、原発に依存しない地域社会の再建を考えていくべきだ。


○又市征治君 又市です。
 この種の案件が私のところまで回ってくると大体たくさんダブるわけでありますが、重複もありますけれども、再確認の意味で簡潔明瞭にお答えをいただきたいと思います。
 まず、震災による地方税の減収については、四月の段階で、減収ではなくて、震災前の主要被災三県と沿岸及び原発避難の市町村の税収総額が四千五百億円だという数字を出されました。そのうち市町村が千八百四十五億円ですが、これは一昨年の決算なわけですね。今後どのくらい減収になるのか。元々財政力の弱い市町村もありますから、絶対額は小さい額に見えても、個々の市町村にとっては貴重な自主財源です。
 そこで、この一千八百四十五億円の内訳について簡単に御説明をいただきたい。

○大臣政務官(福田昭夫君) 簡単にというので簡単に申し上げますが、岩手県で十二団体二百五十億円程度、宮城県で十四団体七百八十億円程度、福島県で十三団体八百二十億円程度、合計で三十九団体千八百五十億円程度となっております。

○又市征治君 復興特別交付税の中には、地方税の制度上の減収分として三千億円が計上されました。しかし、この数字には、先週二十九日、この委員会で、何でこんな丸い数字なのかと、実際の減収とは無関係に総枠を決めて後で総務省が調整と称して値切るんではないのかという、こういう疑問が呈されました。私もちょっと同感なんですが、違うというんなら、この三千億円の根拠を公開をすべきだろうと思います。
 九月末の税収の収入実績は、被災三県平均で昨年同期よりも二四%減、既に一千六百七十六億円のマイナスだそうですね。しかも、これには陸前高田市や宮城の女川町や福島の浪江町ほか四町村、計六市町村が集計不能で含まれておりませんから、そうするともうかなり三千億円に近づいているんじゃないのか、こういう気がします。
 総務省は、市町村から何であろうと資料全部集めてから言うんではなくて、自ら予測して、市町村別に主な税目別に公表したらいいんだと思うんですが、これはいかがですか。

○大臣政務官(福田昭夫君) 東日本大震災からの復旧復興に係る地方税法の改正等に伴う減収額及び地方団体が条例に基づき講じる減免措置に伴う減収額の内訳につきましては、地方税法等の改正による減収見込額は、固定資産税等の課税免除措置にかかわるものが最大で五百億円など含めまして、最大二千億円程度と見込んでおります。地方団体の条例に基づく減免による減収見込額は、個人住民税や固定資産税など最大一千億円程度と見込んでおりまして、合計で三千億円程度と見込んでおります。
 この見込みにつきましては、今年度の地方税の収納額等が把握できないこともあることや、原子力発電所事故の影響が流動的であることなどから詳細な見積りを行うことは困難な状況でありましたが、夏ごろからの可能な範囲での地方団体からの聞き取りや、阪神・淡路大震災の経験、被災地域における固定資産税、都市計画税の課税免除の取組状況等も勘案して行ったものであります。

○又市征治君 今言われた二つは単に総務省のこれまでの事務上の内訳であって、市町村には何の参考にもならないと思うんですね。市町村の当面であるとか、あるいは今後数年間の財政運営の在り方を助言するために、総務省として、市町村を煩わせずに、手持ちのデータで分かる範囲で早めにやっぱり情報を開示すべきだろうと私は思います。これは財務省や国会などに対しても、被災自治体の財政支援に理解と協力を得るためにも必要なんだと思うんですね。
 市町村の主要な税収は固定資産税と住民税ですけれども、例えば固定資産税が五〇%減収、あるいは住民税が三〇%だとしたらどうなるか。私自身、試算をしてみましたけれども、例えば大熊町でマイナス十四億円、富岡町で十三億円、いずれも歳入の二〇%から二三%が減るわけですよね。福島の被災十二市町村合計でマイナス百二十三億円ということになるんですが、総務省はもっと精緻な試算を出せるんだろうと思うんですが、ここはどう見ておられますか。

○大臣政務官(福田昭夫君) 被災団体の減収額には大きく分けて三種類あるかなと思っていますが、一つは地方税法の改正に伴う減収、二つが条例に基づく減免による減収、三つが経済活動の停滞等の影響による減収があるものと考えております。
 このうち、地方税法の改正等に伴う減収につきましては、例えば固定資産税における課税免除措置ではどのような区域を市町村が指定するかにより異なるほか、条例に基づく減免に伴う減収についても個々の納税者の事情により異なってくるものと考えております。さらに、経済活動の停滞等の影響による実態上の減収についても、各市町村の税収を左右する要因が様々であることから、個々の市町村の状況によって実態上の減収の規模も異なってくるものでございます。例えば、特定の企業の業況によって税収が大きく変動する市町村もあるところでございます。
 したがいまして、御指摘の固定資産税や個人住民税を含め、総務省として個々の被災市町村の減収額を精緻に見積もることは困難であると考えております。

○又市征治君 今言われたように、確かに人口やあるいは産業の落ち込みという問題も出てきて、制度以外の実際上の減収が相当出るんだろうと思います。
 今言われたのは、あくまでも今回の法案やそれに基づく市町村の条例などによる制度上の減税分の話ですよね。だけど、今私が申し上げたような、そうした、人口は減少してくる、あるいは産業は相当落ち込んできているということなどを含めて、ここらのところは実際分からぬというのが実態なのかもしらぬけれども、全く皆目分からぬのか、ある程度こういうふうに見込んでいるとか、あるいはこういうふうに手当てをしたいとか、そこらのところはいかがですか。

○大臣政務官(福田昭夫君) 現在、地方税の減収額については調査を実施しているところでございます。現在も国税の申告期限の延長が行われている地方団体においては今年度の課税が実施できていないところもあります。東日本大震災の影響により、通常の業務に支障を来し、税収などの集計がきちんとできていない地方団体もあります。そんなことから、正確な減収額の把握が今のところできていないところであります。
 なお、今回の震災復興特別交付税を配分するに当たりましては、別途各地方団体に調査を行った上で地方団体の減収額を適切に補填できるよう対応したいと考えております。

○又市征治君 そこで、大臣にここまでのところでお聞きをしたいんですが、もし、そんなことはないと思うけれど、今回全額を国が補填することにしたから減収の計算をしても無意味だというふうにもし総務省の側が思うとしたらこれは大きな間違いなわけでありまして、住民や自治体の職員、あるいは首長さん方も大変に困っているわけですね、今。さっきも申し上げましたが、人口がこの被災地全域では十万人単位で減っている、こういう状況があるし、半永久的な移住をする人も出てきているという状況にあると。産業を見ても、水産業、農業、酪農、それらの加工業などが壊滅をしたり、あるいは復旧復興が遅れて事業主も労働者も所得が減少していることはこれは明らかであります。
 これら実態上の経済の落ち込み、それによる地方税の減収についても、復旧やあるいは復興に追われている市町村に代わって総務省がやはり可能な限り指し示す必要がある
んじゃないか、こう思うんですが、この点いかがでしょう。

○国務大臣(川端達夫君) おっしゃるように、被災者団体によって、人口の動向あるいはいわゆる固定資産税の減収分あるいは産業の動向、おっしゃるとおり、会社がなくなってしまう、あるいは雇用がなくなる、いろんな状況がそれぞれの地域で様々でございます。
 そういう意味で、繁忙を極める市町村ではございますが、代わりに我々が見積もるというのは、そこをきめ細かい部分は状況を把握できないという部分では、現実的にはなかなか難しいというより無理なものがあります。逆に、そういう意味では、市町村の皆さんがいろいろやっているけれども、こういうことはどうしたらいいのかとかちょっとアドバイスを欲しいという部分に関しては、いろんな部分で実質的にはそういう技術的なことを含めて助言を行うことはやぶさかではございませんので、また実情を踏まえながら適切に対応をしていくように努力してまいりたいと思っております。

○又市征治君 是非しっかりとサポートをしていただきたいと思います。
 そこで次に、以前にもここは聞きましたが、東京電力はまさに原発災害の加害者でありまして、その固定資産税や住民税を一般住民や企業と同じに減税をするというのは被災者への減免という法の趣旨にこれは合わないことですね。
 この点について、福島原発立地の四つの町村が前回及び今回の法律に従って東電に減免せず課税を続けることができるはずだと思うんですが、この点はどうなっているというふうに把握されていますか。

○副大臣(黄川田徹君) 御質問は原発事故の被災市町村における東京電力の固定資産税の課税ということでありますけれども、基本的には市町村独自の判断、適切に判断されるところでありますけれども、御指摘のとおり、原子力災害避難区域の課税免除区域の指定についてお話しすれば、原子力発電所関連施設が所在する先ほどの大熊町、双葉町、楢葉町、富岡町からは同関連施設の区域を平成二十三年度の課税免除区域からは外して指定を行ったと報告を受けておりますので、課税されておるはずであります。

○又市征治君 もう一つ角度を変えて、原発立地市町村が国から受けてきた電源立地交付金は大変たくさんメニューがあるんですが、これは一体幾らになっているのか、多いところを少し紹介をいただきたいというのが一つ。
 それと、交付金の一部は国から県を経由して立地とは関係なくほとんどのその県内の市町村に細かくばらまかれているというのが実態だろうと思うんですが、福島県内だけで三十市町村、年に十億円余と言われていますが、この点、具体的な数字をお聞かせいただきたいと思います。

○大臣政務官(福田昭夫君) 福島県の原発立地団体の平成二十一年度決算における国から直接交付を受けた電源立地地域対策交付金の額は、双葉町が約十九億円、大熊町が約十五億円、富岡町が約八億円、楢葉町が約七億円となっております。なお、火力発電所が立地している広野町は約二億円となっております。また、お尋ねの福島県を経由した電源立地地域対策交付金の総額は、三十四市町村、約十五億円となっております。

○又市征治君 これとは別に、東電や各電力会社が寄附金という形で立地市町村やその周辺市町村に相当な額のお金を出しておりますね。これについても議論はありますけれども、今回の東電の事故、また全国で電気料金にこれらが上乗せされているということも含めて、今後は市町村の減収になっていくんだろうと思うんです。
 総務委員会として、あるいはまた総務省として、これらの市町村の今後の財政自立の在り方、原発に依存しない地域社会の再建について、これまたしっかりと考えていくべきではないか、このことを最後に申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。