第190回通常国会

2016年4月4日 決算委員会



■平成26年決算他2件
省庁別検査:皇室費、内閣、内閣府本府、農林水産省、経済産業省及び沖縄振興開発金融公庫
@甘利さんと関係者の証人喚問を求める。
A国会議員との接触記録の取り扱いについて、国家公務員制度改革基本法と閣僚懇談会申合せの間には齟齬がある。
B閣僚懇の申合せは、問題があれば記録を残すとなっており、この改革基本法の趣旨をむしろ緩めているのではないか。
C口利きを排除するためには、国会議員との接触記録をすべて残す必要がある。
D内閣官房は率先して国会議員との接触記録を取り、そのことを他省庁にも働き掛けるべきだ。
E大津地裁が関西電力高浜原発3、4号機の運転差止め仮処分を決定したが、これについて、どのように受け止めているのか。
F関電の社長が、勝訴なら賠償請求も検討するとか、関西経済連合会役員が、なぜ一地裁の裁判官によって国のエネルギー政策に支障を来すことが起こるのかとコメントしているが、このコメントに対する大臣の感想は。
G大津地裁の仮処分決定は、国主導で原発事故に際しての具体的な避難計画を策定する必要があり、避難計画を視野に入れた幅広い規制基準を策定すべき信義則上の義務が国にあると述べているが、これについての受止めは。
H京都府は、高浜原発30q圏内で41か所にモニタリングポストを設置する計画だったが、2月末時点で66%に当たる27か所で未設置だったにもかかわらず3、4号機が先に稼働してしまったが、これについて問題だと思わないのか。
I帰還困難区域の住民の支援策等の検討に際して、チェルノブイリ原発事故での避難、移住計画を参考にしているのか。
Jなぜ、昨年秋の行政レビューで原発関連事業を取り上げたのか。その評価はどういうものであったのか。経産省は、このレビューを受けてどのように対応したのか。
K使用済み核燃料の貯蔵スペースが10年足らずで満杯になると言われている。政府は最終処分場の有望地を年内に公表すると言われているが、その後の完成までのスケジュールをどのように考えているのか。
L福島第一原発の廃炉だけで40年もかかると言われている。この間に大地震等で4つの原発から放射能漏れが絶対起きないという保証はあるのか。


○又市征治君 社民党の又市です。
 前回、2月の18日、甘利前大臣をめぐる口利き疑惑について質疑をいたしました。残念ながら、その後も疑惑を晴らす本人の姿勢が全く見られない、このことについて大変遺憾だと思います。引き続き、これは甘利さんと関係者の証人喚問を求めていきたいと思っています。
 さて、このことに関連して先日の質疑で、政府参考人は私の問いに、国家公務員制度改革基本法ではいわゆる口利きと言われる政の官に対する圧力等を排除する趣旨で、職員が国会議員と接触した場合における記録の作成、保存その他の管理等のための措置を講ずることとされている、この旨を答弁されました。
 また、この趣旨を踏まえた平成24年の「政・官の在り方」についての閣僚懇談会申合せでは、官は、国会議員やその秘書からの個別の行政執行に関する要請、働きかけであって、公正中立性の観点から対応が極めて困難なものについては大臣等に報告し、報告を受けた大臣等は、内容の確認を行うなど、自らの責任で適切に対処することとなっている、こういうふうに説明があったわけです。
 つまり、ここにちょっと差があるわけでありまして、改革基本法は政の官に対する圧力等を排除するために接触した場合は記録を残すことによって圧力を抑止する、こういうふうになっているわけですが、閣僚申合せでは対応が極めて困難なものに絞って大臣に報告すると、こういうふうになっているわけであります。
 これでは、職員が接触記録の作成、保存、管理を恣意的に決めるということになりはしないのか、この点について改めてお聞きをします。

○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 国家公務員制度改革基本法におきましては、いわゆる口利きと言われるような政の官に対する圧力等を排除する趣旨で、職員が国会議員と接触した場合における記録の作成、保存その他の管理等のための措置を講ずることとされております。
 他方、この国家公務員制度改革基本法の法案審議におきまして、全て記録することは事務を煩雑化させるのではないか、事務をいたずらに膨大化させぬことにも留意する必要があると、そういった御趣旨の御議論がございました。
 こういったことを踏まえまして、平成24年の閣僚懇談会におきまして「政・官の在り方」の申合せが行われ、官は、国会議員やその秘書からの個別の行政執行に関する要請、働きかけであって、公正中立性の観点から対応が極めて困難なものについては大臣等に報告し、報告を受けた大臣等は、内容の確認を行うなど、自らの責任で適切に対処すると、そのようにされていると認識をいたしております。

○又市征治君 前回も、今もあったんだが、国会議員からの働きかけは資料請求とかレク請求とか多岐にわたるので全て記録するのは煩雑過ぎると言うけれども、現実にこの資料請求などというのは実際上、各省庁の国会の窓口が現在も記録しているわけですよ。そんな煩雑になるという話ではない。そういう理屈を付けて、実際上は、この閣僚懇の申合せというのは、問題があれば記録を残せ、問題があればという格好になって、言ってみれば、この改革基本法の趣旨をむしろ緩める、こんな格好になっているんではないのか。
 もう少し突っ込んで言いましょう。仮に、省庁の職員が自らの省の政策推進のために政権与党あるいは野党の議員と良好な関係を持ちたい、こういうふうに思うかもしれない。ほぼ、大体一般的にそう思うでしょう。それが度を超すと議員の口利きに応じかねない、こういう事態があるわけですよ。現に、甘利議員の秘書との会談でUR側が譲歩したんではないか、この疑惑が非常に強い、こういう格好になってきている。だから、口利きの排除のためには政と官との接触の際は全て記録する、こういう必要があるんではないのか、それ以外に、じゃどういう一体全体策があるのか、このことが問われているんじゃありませんか。そのことを強く申し上げておかにゃいかぬ。
 前回、三輪さん、あなた自身が、改革基本法の趣旨というのは政治家の圧力を排除すると答弁したんであって、だとすれば、記録をしっかりしておかなきゃ、どうやって排除ができるんですか。そのことを強く申し上げておきたい。
 そのことに関連して、前回、政府参考人は、各府省では、規定にのっとり、各大臣等の指揮監督の下、記録の作成や管理の在り方について適切に実施している、こういうふうに答えているわけだが、ところが、ある報道機関が改革基本法が定める接触記録について情報公開請求したところ、実際は全省が作成していない、あるいは保有していない、こういうふうに回答したというふうに報じています。だとすれば、全く法の趣旨が生かされていないんではないですか。
 まず、内閣官房、この点についてお聞きしますが、内閣官房は自ら襟を正して、他省庁に記録を作成、保存するように働きかけるべきじゃありませんか。その点、まずお答えください。


○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 ただいま統括官から御答弁申し上げましたとおり、国家公務員制度改革基本法は、いわゆる口利きと言われるような政の官に対する圧力等を排除する趣旨で、そうした接触があった場合には記録の作成、保存、その他の管理をするということでございます。この法の趣旨を踏まえまして、政と官の在り方、具体的な措置として閣僚懇で申合せをされているということでございます。
 このこと自体は内閣官房としても機会あるごとに徹底をしているところでございますけれども、今先生から御指摘ございました一部報道機関によります情報公開の請求でございますけれども、結果といたしまして、その請求に係る、対応する記録、保存がなかったということでございますので、そのような事例はなかったものと認識をしております。
 内閣官房としましても、法の趣旨、さらには政と官の在り方の趣旨を踏まえまして、引き続き対応しているということでございますので、その法の趣旨を超えました対応を行うとか、あるいはそういったことを各府省に働きかけるということは考えていないというところでございます。引き続き、法の趣旨等を踏まえまして対応してまいりたいと考えております。

○又市征治君 何か後ろ向きなんだよね。内閣官房は、政と官との接触記録の作成、保存、管理について、そういう意味では、今言われたように各府省の、マスコミからの問合せでなされていないというふうに言われている。じゃ、内閣官房そのものがそれをきちっとやっていたのか、作っていたのか、そのことをはっきりさせなきゃ話になりませんよ。
 その点を答えていただくと同時に、このことをやらないと、安倍政権そのものが政治家の口利き、圧力を排除する手段を講じることに極めて不熱心だということになりますよ。もう一遍お答えください。

○政府参考人(土生栄二君) 先生御指摘の一部報道機関によります情報公開請求、これは内閣官房の担当部局にもなされたところでございまして、その要求があった期間におきましては、内閣官房としましても該当事例がなかったということは確認しているところでございます。
 閣僚懇の申合せに沿いまして、引き続き私どもとしましては徹底をしてまいりたいというふうに考えております。

○又市征治君 だから、この閣僚懇の中身は基本法そのものから緩めてしまっているじゃないですかと。問題があれば記録します、問題があるかどうかはその担当した職員が判断をするということになっているじゃないですか。基本法の方は全然そうはなっていないでしょう。それに基づいてやるべきで、だから私は改めてわざわざ言ったんです。こんなことやっていると、安倍政権自身、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、政治家の口利き、圧力を排除する手段を講じることについて極めて不熱心ではないのかと、こう申し上げているんです。繰り返しませんが、もう一度しっかりと検討いただきたい、このことを申し上げて、次に移りたいと思います。
 3月9日、大津地裁が関西電力高浜原発3、4号機の運転差止め仮処分を決定をいたしました。これについて、林大臣、どのように受け止めておられるか、お聞きをいたします。
 また、この地裁の決定について、関電の社長が、勝訴なら賠償請求も検討するとか、あるいはまた、関西経済連合会役員が、なぜ一地裁の裁判官によって国のエネルギー政策に支障を来すことが起こるのかと、このようなコメントをしています。こうした発言についての大臣の感想も併せて伺いたいと思います。

○国務大臣(林幹雄君) 今回の仮処分の決定に関しては、当事者間で係争中のものでありまして、内容に関するコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 他方、今回の仮処分に関する世論の反応を聞きまして、原発の再稼働について国民の皆様には様々な御意見があるというのを改めて感じた次第でございます。
 政府としては、原発について、国民の信頼回復に向けまして、安全最優先を旨とし、国民の理解が幅広く得られるよう、引き続き最善の努力を尽くしていくということでございます。
 その上で、原発の再稼働については、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると判断した原発のみ、その判断を尊重し、地元理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針でありまして、この方針には変わりはございません。
 なお、関電の社長の発言につきましても、民間の個々の発言でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。

○又市征治君 地裁といえども、原発再稼働停止の決定というのは政府は重く受け止めるべきですよ。それとは全く関係なしに進んでいきますという姿勢があるから、関経連の発言というのは法治国家にあるまじき発言ですよ、これ。福島第一原発の重大事故について全く反省していない業界の姿勢を私は象徴的に示していると思いますよ。
 そこで、次に、丸川大臣にお伺いをしますが、大臣は昨年暮れ、滋賀県を訪れられて、福井、滋賀、京都の3府県合同の避難訓練について、今後、国が調整してやり、実効性ある避難計画にしていきたいと述べられたということのようです。大津地裁は仮処分決定で、原発で事故が起きれば圧倒的な範囲に影響が広がり、その避難に大きな混乱が生じたことが福島の事故で認識された。国主導での具体的な避難計画が策定されることが必要で、避難計画を視野に入れた幅広い規制基準を策定すべき信義則上の義務が国にある、こういう旨を述べていますよね。
 大臣はこの避難計画に関わる言及についてどのように受け止めておられるのか。また、昨年暮れ以来、高浜原発の3、4号機で重大な事故が起きた場合、その避難計画の策定はどう進展をしているのか。この二点、お伺いします。


○国務大臣(丸川珠代君) まず、規制基準の策定に関連しては、これは原子力規制委員会の所掌でございますので、私からのコメントは差し控えさせていただきます。
 その上で、避難計画また地域防災計画は、地域の実情を熟知する自治体が中心となって策定するのが適切ではありますが、一方で、自治体だけではなくて国の関係機関が大きな役割を担わなければ実効性ある計画はできません。実際に、私どもがこの避難計画、地域防災計画を策定していただくに当たっては、我々が前面に立って大変きめ細かくこの自治体の作業を支援をさせていただいております。
 例えば、具体的にどういうことかといいますと、行政区ごとの避難先や避難手段の確保、それから複合災害時も想定した複数の経路の設定などが定められるわけですが、これらは市町村や県が単独で決めているのではなくて、地域防災協議会で国が調整を行いまして、その調整を通じて策定をされているものでございます。ですので、私どもの認識としては、この原子力防災会議で緊急時対応が承認されるまでのプロセスにおいても、国が前面に立って、その内容が具体的かつ合理的なものとなるように調整に当たっております。

○又市征治君 そのように公式におっしゃるんだが、大臣、京都府は高浜原発30キロ圏内で41か所に、大体小学校校区単位のようですけれども、モニタリングポストを設置する計画だったわけですが、2月末時点で66%に当たる27か所で未設置だった。未設置であるにもかかわらず3、4号機が先に稼働してしまったというふうに説明をしているわけですね。これについて問題だと思われませんか。

○国務大臣(丸川珠代君) 今委員がおっしゃった数字というのは固定式のモニタリングポストの数字だと思います。私ども、これ、緊急時対応を作っていく上で、可搬型といって、その時々に応じて場所を移せるモニタリングポストというのを別途数を用意しておりまして、それでカバーができるということでございますので、そのように承認をしております。

○又市征治君 問題は、可搬型というのは交通渋滞なんかしたら運べないんですよ。元々、規制庁そのものが、モニタリングポストの設置が不十分だったり未設置だったりする状況で再稼働するというのは問題だ、こういうふうに規制庁そのものが言っているんです。そして、これは固定型を前提にしているんですよ。そこのところが認識されていないじゃないですか。もう一遍お答えください。

○国務大臣(丸川珠代君) 先ほど委員が御指摘をいただきましたまだ未設置だったとおっしゃっていた固定型のモニタリングポストに関しては、この年度末で全て設置を終わったというふうに確認をしております。

○又市征治君 いや、だから、今の年度末で終わったんじゃ困るので、再稼働したときの話をしているわけですよ。そういう話をそらしてもらっちゃ困る。
 いずれにしても、この大津地裁は現状では駄目だと言っているわけですよ。それを謙虚に受け止めて、自治体との協議を踏まえながら、原子力防災担当大臣としては実効性ある避難計画の策定を再稼働の要件の一つにする、そういう努力をしていただくように強く求めておきたいと思います。
 次に林大臣にお伺いしますが、現在、福島では、原則禁止している帰還困難区域は7市町村、対象住民は約24,000人と言われます。今後、これらの住民をどのように支援していくのか、またこの帰還困難区域を今後どうしていくのか。当該地域住民にとって大きな問題なわけですが、チェルノブイリ原発などの事故の避難だとかあるいは移住計画であるとか、なども参考にして検討され方策を立てられているんですか、その点お伺いします。

○大臣政務官(星野剛士君) お答えいたします。
 チェルノブイリ原発事故後の被災者への対応については、文献による確認はもとより、現地関係者のヒアリングなども行っております。こうした中から得られた教訓として、例えば個人の被曝線量に着目したきめ細かな対応がございます。こうした教訓を参考に、東京電力福島第一原発事故後、我が国においても個人線量測定、丁寧な相談対応など、住民お一人お一人の放射線不安に寄り添う安全、安心の取組を進めているところでございます。
 今後とも、必要に応じ、こうしたチェルノブイリ事故の教訓を施策作りの参考にしてまいりたいと考えております。

○又市征治君 避難をなさっている方々の思い、苦悩というのは様々だと思います。政府や東電はそれに真摯に応えなきゃならぬということだと思いますが、帰還を強制することは許されませんし、また帰還をしたくても生活ができない状況、家族のそういう状況を含めて改善する義務を国が負っているんだということを改めて強調しておきたいと思うんです。
 次に、昨年秋に行われた行政事業レビューについて河野大臣にお伺いいたしますが、このレビューでは今回初めて原発関連14事業を取り上げられたとお伺いしていますが、今回なぜ原発関連事業をレビューの対象にされたのか、またそのレビューにおけるこの事業についての評価はどのようなものであったかということをお聞きをし、その上で林大臣には、このレビューを受けて経産省はどのように対応されたのかも伺っていきたいと思います。

○国務大臣(河野太郎君) 今般、行政改革担当大臣を私が拝命をしたことでございまして、そういうことで原子力関係の予算をやっぱりメスを入れにゃいかぬというふうに思いました。
 これは、原子力関係の予算がこれまで事業レビューで余り取り上げることがなかったものですから、例えば電源立地地域対策交付金、文科省、経産省が出しておりますが、一体全体どういう基準で交付されているのか、それがどういうふうに使われているのか、非常に不透明でございましたので、今回レビューを受けて、交付規則並びに事後評価書を公開をしていただくことになりました。
 また、核燃料サイクル交付金のような今まで余り執行率が高くなかったものは今年度の予算で概算要求から大幅に削減をしていただいたものもございます。また、開栄丸のように、使われていなかったけれども、ただ船が係留されているだけだったのに予算が丸ごと付いているというようなものも取り上げさせていただいて、これは使用を終了するということになりましたし、RETFのような使用がほとんど見込まれていない施設、これ会計検査院から指摘を受けたので、更に使用が見込まれないものに改造するというような予算が計上されておりましたので、それも取り下げていただきました。
 春のレビューでもこの原子力関係予算はしっかり見ていきたいと思いますし、重点課題として行革ではこれをしっかり今後とも注視してまいります。

○国務大臣(林幹雄君) 河野大臣から御紹介があったように、秋のレビューでは経産省の原子力関係予算について情報公開が不十分ではないかといった御指摘がございました。こうした御指摘を踏まえまして、事業の透明性を向上させるべく、昨年12月、電源立地地域対策交付金等の交付規則を経産省のホームページで公表しました。個々の事業の概要や事業評価についても本年1月までにホームページに公表するといった取組を行っているところでございます。
 また、本年1月には、発電所が立地する自治体向けに、秋のレビューでの指摘事項を説明する機会を設けて、交付先の自治体に対しましても事業の透明性の確保を要請したところでございます。引き続き事業の透明性の向上に取り組んでまいります。

○又市征治君 次に、最終処分場問題、お伺いをしたいと思います。
 現在停止している原発も含めて大量の使用済核燃料が存在し、今後再稼働が進めば貯蔵プールももう10年足らずして満杯になる、こんなふうに言われています。早いものはもっと早い。したがって、喫緊の課題というのは最終処分場の建設ということになるんでしょうが、その明確な展望を示せないまま原発の再稼働をするというのは極めて未来の世代に対する背信、無責任と言わざるを得ないわけでありまして、この最終処分場の有望地を年内にも公表する予定だと言われていますが、その後の完成までのスケジュール、どのように今お考えなのかお伺いします。

○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 最終処分の関係でございますが、法律の上では文献調査、概要調査、精密調査、こういった3段階の調査を経て処分地を選定することとなっております。これらの調査には合計で20年程度要することを想定しているところでございます。
 その上で、処分地を決定した後でございますけれども、処分施設の建設あるいは操業の段階に要する期間、これは廃棄物の搬入といったもの、それから埋め戻しといったプロセスがあるわけでございますが、これらにつきましては、具体的な立地条件あるいは規制委員会の審査と、こういったことにも依存するところがございますので一概にはお答えできませんが、おおよそ申し上げますと、この処分地の決定後50年以上は時間が掛かると、このように考えております。
 今回、科学的有望地と申しますのは、この法定の3プロセスが始まる前に科学的有望地をお示しするということでございまして、併せて中間貯蔵の貯蔵能力の拡大、こういったことも併せてやっていきたいと思っております。

○又市征治君 まるでこれじゃ時間的に間に合わなくて、建設終わるまで行ったら50年も掛かるといったら、まさにトイレなきマンションじゃないですか。大変な話だと思う。
 最後に、時間がなくなってまいりましたから、政府は何の根拠もなく日本の原発規制は世界一厳しい厳しいと、ただ言っているだけなんですよ。そして、一方で、福島で除染が進んだと帰郷を促している。しかし、福島第一原発の廃炉だけでも40年以上掛かるんでしょう。
 そこで、大臣、ちょっとお聞きしますが、福島で40年も掛かるこの間に大地震が起こったときに、今の事故を起こしているこの4つの原発から、改めて放射能漏れなどというのが絶対起きない、そういう保証ありますか。

○国務大臣(林幹雄君) 絶対起きないという保証はないと思います。

○又市征治君 大変な話ですよ。だから、そういうところへ帰還をしろと言ったって、帰還できるわけないじゃないですか。起こるはずがないと言われていた原発事故が福島で起こった、その点に対するやっぱり反省が、私は全くそういう意味では政府の側に甘い、こう言わざるを得ない。もっと言うならば、確証のない、無責任な第二の安全神話を一生懸命振りまいている、こうしか言いようがありません。厳しくそのことを糾弾して、今日は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。