「公務員制度改革の基本設計」に関する見解

2001.8.10.
1. 政府の行政改革推進本部は、6月29日、新たな公務員制度の骨格とその具体化への検討課題を示した「公務員制度改革の基本設計」を決定し、本年12月を目途に、法制化等の具体的内容等を盛り込んだ「公務員制度改革大綱」を策定すると公表した。
 これは、本来、交渉事項である賃金・労働条件に関する制度内容を関係労働組合と協議しないまま一方的に決定・発表しており、また労働基本権剥奪の代償機能と位置付けられてきた人事院の「組織、役割の抜本的見直し」を行う方向を示しながら最大の焦点である労働基本権問題は先送りにするなど、民主的な公務員制度改革を目指す姿勢とは言いがたい。
2. また、制度改革の内容では、@一部の特権的なキャリア制度を温存し、彼らに有利な処遇改善を意図している、A国民的批判が強い天下り問題を大臣の承認制度にしようとしており、官業癒着がさらに拡大する、B人事管理システムとして、能力等級・給与制度への切り替え、能力・実績評価からなる「新たな評価制度」の導入を計り、公務員の総人件費の抑制や現場の切り捨てが目論まれている…など極めて問題のある制度見直しと言わざるを得ない。
3. 公務員制度改革にあたっては、国際的な常識である当事者の関係公務員労働組合の主張を尊重し、交渉・協議すべきである。
社会民主党は、公務労働者とともに、労働基本権の全面的な確立と公務員制度の民主的で抜本的な改革の実現を求めるものである。
以  上