首相の靖国神社参拝に関しての談話

2001.8.13
1. 小泉首相は、国内外の抗議や批判を無視して靖国神社の公式参拝を、公言してきた8月15日ではなく本日13日に強行した。
これは、この問題を真摯に解決しようという姿勢を放棄した姑息な手法であり、厳しく抗議するものである。

2. そもそも首相の靖国神社公式参拝は、次のような問題を有しており、あってはならないことである。
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靖国神社は、天皇の命によって明治2年に創設され、陸軍・海軍が第二次世界大戦敗戦まで管理してきた歴史的経過をもち、一貫して侵略戦争での戦没者を軍神として祭ってきた(だからA級戦犯も合祀した)侵略戦争を美化する存在である。したがって、諸外国の元首は誰一人参拝しないのである。
A
かかる国家神道の過ちを繰り返さぬために憲法第20条に政教分離の原則が謳われ、戦後は靖国神社も一宗教団体となったのである。これを首相が公式参拝することは、首相自らが憲法(のこの規定)を踏みにじる極めて重大な問題である。
B
日本の植民地支配や侵略によって多大なる惨禍を蒙った朝鮮や中国をはじめとしたアジアの人々の痛みと抗議・非難を受け止めず、首相自らが新たな外交問題を惹起するものである。

3. 戦後56年を経た今日まで、この問題を引きずってきたのは、歴代自民党政府の責任である。そればかりか、「改革」を叫ぶ小泉首相は、この解決に取り組むどころか、上記の問題点を踏まえず、また国内外の批判・抗議を無視して、靖国神社の公式参拝を強行した。
いま政府が早急に取り組むべきは、沖縄の「平和の碑」のように、無宗教の慰霊施設を建設し(千鳥が渕墓苑の拡充を含む)、誰もがすべての戦没者を追悼し平和を誓い合えるようにすることである。
以  上