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本日、小泉内閣は、多くの国民の反対を押し切って、有事3関連法案(武力攻撃事態法案、安全保障会議設置法改正案、自衛隊法改正案)を閣議決定し、直ちに国会へ上程することを決めた。国会の会期を延長しても押し通す構えである。
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政府の説明によれば、「有事」とは、「武力攻撃が発生した事態、または武力攻撃が予測されるに至った事態」である。したがって「有事法制」とは、これに自衛隊が防衛出動する場合に備えた国内体制整備の法令である。
つまり、小泉内閣は、“日本周辺のいずれかの国が、海と空から猛攻撃を仕掛け、日本の制海権・制空権を握った上で本土へ上陸侵攻してくる事態”があり得ると想定すると言うのである。時代の流れを見ない、驚くべき妄想である。
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80年代までの東西冷戦時代でも、日本が武力攻撃を受ける恐れはほとんどなかった。それは、「日米安保条約や自衛隊のお陰」ではなく、憲法で「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と、戦争放棄を宣言した平和国家を攻めるほど愚かな国はなかったのである。まして冷戦構造崩壊と世界的軍縮の下にある今日、日本が武力攻撃を受けるような事態はまず皆無なのである。
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にもかかわらず、いま「有事法制」を強行しようとする真意は、経済のグローバル化の下で大企業の海外権益を広げ擁護するために、軍事的貢献で国際社会に政治的発言力を強めようという狙いである。しかしこれは、世界を力でねじ伏せようという米国の戦略に追随し、米軍と共同行動を拡大する道であり、米国のアジアでの戦争に巻き込まれる、「有事」を自ら招く危険な選択である。
同時にそれは、「戦争放棄の憲法法体系」を「戦争する法体系」に変えることであるから、当然、憲法3章の「国民の権利・義務」(第10条から40条)の制限や蹂躙、8章の「地方自治」の否定、これに反する者への罰則を伴う。
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小泉首相は「備えあれば憂いなし」と叫ぶが、全く逆である。我々の対案は、「平和外交の備えあれば有事なし」であり、これこそ歴史の大道である。
つまり |