2004.11.30

1.  米国の一方的なイラク武力攻撃は、明らかに国連憲章第51条違反であり、21世紀の国際秩序を国連中心の「法の支配」から強国による「力の支配」に逆戻りさせる歴史的暴挙であった。その後、大量破壊兵器の不在が明らかになり、米英軍に加担した国々の撤退が相次いでいる。
  小泉内閣が米国の蛮行を率先して支持し自衛隊を派遣したことは、憲法違反であり、「専守防衛」の国是にもとることも明らかである。

2.  その結果、イラク国民にとって最も友好的であった日本は「敵性国家」となり、外交官、ジャーナリスト、無辜の市民が犠牲となったように、日本及び日本人は世界中で報復やテロの対象とされている。そして「人道復興支援」に派遣されたはずの自衛隊の宿営地が8回にもわたって砲撃され、いつ犠牲者が出るかと危惧される状況にある。この責任は、上げて小泉内閣にある。

3.  今日、自衛隊派遣の目的とされた医療器具等の提供、公共施設等の復旧、水の供給はほぼその目的が達成され、現地の人々に引き継いで支障がないことが専門家たちの調査で明らかになっている。もはや自衛隊の派遣を1年も延長する理由は成り立たないのである。

4.  にもかかわらず小泉内閣が自衛隊の派遣を延長しようとする理由は、国連加盟国の1割程度の支援しか得られなくなった米国が「部隊の規模や支援活動の面だけでなく、日本が世界の主要国として責任を果たすこと示す」よう(ベーカー駐日大使)求めたことに応えようとしていること以外に見当たらない。正に「小泉総理は米国の51番目の州知事以下だ」と言う所以である。

5.  いま日本政府がすべきことは、米国に対して、国連憲章と国際協調に背いた戦争と占領が誤りであったこと、特に2度にわたるファルージャ総攻撃が何千人もの無辜のイラク市民を殺戮し米国と同盟軍に憎悪と報復を生み出したこと、したがって国連を中心とした国際協調によるイラク復興支援に立ち戻ることを、「同盟国」として真剣に説得することである。

6.  その日本の決意を示すためにも、小泉首相は「自衛隊のいるところは非戦闘地域」などと言葉遊びで国民を欺き、イラク特措法にも反して自衛隊員を危険に晒し続けるのではなく、12月14日の期限で撤退させるべきである。

以  上