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1. |
私は、民主党の新代表に小沢氏が選出されたとき、記者団に「まずは歓迎したい」と述べた。それは第1に、野党第一党が偽メールをつかまされて1か月半にわたって混乱を重ね、予算審議の重要な時期に国会がまったく与党ペースで進んだことに終止符を打つ意味で、第2に、国民の暮らしと平和を破壊し続ける小泉政権と同じ土俵の上で「改革競争」を叫び、その実は政府の政策のわずかな修正を求める「対案」路線から、野党本来の、政権を厳しくチェックする対決姿勢に立つことの期待から…である。衆議院で3分の2の巨大与党が存在する以上、野党が結束して対処することは当然だからである。
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それからしばらくが過ぎ、「小沢民主党は変わったか」と問われる。しかしにわかに評価は下せない。国会内では、公共サービスを切り下げ、国民に負担を強いる行革関連法案には公務員の総人件費20%削減の「対案」を出し多くは賛成するなど、依然、相手の土俵の上である。一方、憲法改悪のための国民投票法案は急ぐ必要はないとし、また憲法と一体の教育基本法改悪法案の今国会上程には反対すると伝えられ、この点は歓迎したい。さらに雇用機会均等法改正案には野党3党で共同修正案を提出し対決する姿勢は評価したい。したがって国会内では一致点を拡大し可能な共闘は広げていきたい。
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3. |
小沢氏は、「自分も変わる」と表明しているが、その中身が問われる。小沢氏は、新自由主義の旗頭として定評がある。野党本来の対決姿勢にということであれば、それは前原氏らとの手法の違いでしかない。氏は、かつて99年の自民党・自由党の連立政権で、周辺事態法、日の丸・君が代の国旗・国歌法、盗聴法など日本の右傾化を象徴する法案の成立を推進してきた。また自らの著書『日本改造計画』では、日米同盟の強化、自衛隊による「国際貢献」、小さな政府、300自治体再編、消費増税…などを提唱してきた。こう見ると、小沢氏と小泉政権の基本政策は「8割が一致している」(前原前代表)のではないか。つまりは、古い自民党に「代わる」民主党(=もう一つの自民党)の政権を目指すことが目的のようである。とすれば我々が与することはあり得ない。
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4. |
国内総生産がバブル期を凌ぎ、大企業が3期連続で過去最高の利益を上げる下、小泉改革に対して、多くの国民が生活・雇用・将来への不安・不満や怒りを募らせている。完全失業者は約300万人、不安定な身分の非正規労働者が1650万人=勤労者の3分の1に上り、勤労世帯の収入が7年連続で低下し、5世帯に1世帯が年収200万円以下、4世帯に1世帯が預貯金ゼロと格差が拡大し、そして戦争のできる国づくりに向けて次々に既成事実が積み重ねられ、いまや憲法と教育基本法改悪の動きが加速している。
わが社民党は、「平和・自由・平等・共生」の旗を掲げ、こうした新保守主義・新自由主義と厳しく対決していく。政治の使命は「暮らしと平和がイチバン」なのだから。
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