2007.2.6

(1)  柳沢厚労大臣は、1月27日の講演で「15から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べ、世論の猛批判を受けた。
 この発言は、女性を「(子どもを)産む機械、装置」と蔑視し、「あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と少子化対策の無策を吐露したもので、子どもを産めない、産まない女性は欠陥装置、商品だと非難しているに等しい。つまり、まったくの人権感覚の欠如であり、厚生労働大臣どころか政治家の資質が問われるもので、謝罪して済まされる問題ではない。欧米でもこれが嘲笑交じりで報じられた。自民党が好んで使う「国辱」という他ない。

(2)  わが党はじめ野党3党は、1月30日に党首会談を開いて、これを放置しては政治不信の拡大が避けられないと判断し、柳沢厚労大臣の即刻辞任と安倍総理の任命責任を問うことで一致し、その旨を申し入れた。しかし、柳沢大臣は辞任を拒絶し、安倍総理も柳沢氏に職責をまっとうすることを命じてこれを拒否した。柳沢大臣をかばう安倍内閣の人権感覚の欠如を、はしなくも露呈したのである。
 したがって野党は、こぞってこれに抗議し、補正予算案の審議に応じられないとしたのである。

(3)
 政府・与党は、「国会議員の使命は国会で論議することだ。国会サボタージュは許されない」などと非難宣伝した。彼らの意図は、野党に柳沢大臣不信任決議を提出させてそれを与党多数で否決し、逆に「柳沢大臣信任」を演出して幕引きを図ろうというものである。
 しかし彼らの思惑は、安倍内閣の支持率の続落・支持と不支持の逆転、北九州市長選と愛知県知事選に示された民意でもろくも崩れた。安倍首相の任命した本間税調会長や佐田行革大臣の不祥事辞任、松岡・伊吹両大臣らの政治資金疑惑、そして柳沢大臣の発言などは、野党の抗議行動と共に国民多数の安倍内閣不信任の声となったのである。

(4)
 にもかかわらず安倍内閣は、国民多数の声に背を向け柳沢大臣続投を決めた。であれば我々は、国民の声を背に、今後の予算案をはじめとする国会審議において柳沢発言をはじめとする不祥事や疑惑などを徹底追及し、政治不信の払拭に全力を上げる。もって与党多数にあぐらをかく安倍内閣を追い詰め、来るべき参議院選での与野党逆転につなげていく。




以 上