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1. |
4日、民主党の小沢代表が辞任の意向を表明した。自民党との連立政権に向けた政策協議の提案が役員会で否定されたのは不信任を受けたに等しく、けじめをつけるのだという。自民・民主の連立政権という話が飛び出し、また突然の辞意表明に、正直驚かされた。「政治の世界は一寸先が闇だ」と言われるが、それにしても安倍前首相の政権投げ出しに似て、無責任のそしりは免れない。一方の当事者である福田首相は「ビックリしました」とほくそ笑んでいる。
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2.
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小沢氏は、昨日の会見ではじめて2回にわたる党首会談の内容を説明した。それによれば、(1)首相は自衛隊の海外派遣について、「国連のお墨付きがある場合にのみ自衛隊を海外に派遣する恒久法をつくる」という重大な政策転換を決断した。(2)その上で首相から連立政権の提案があったーという。小沢氏としては、それだけでも連立に向けた政策協議を始める価値があると判断したが、役員会でこれが否定されたから辞任するというのである。
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3. |
今臨時国会の最大の焦点が新テロ特措法の是非である。私たちは、ようやく国民注視の中でその論戦の火蓋が切られた時期に、自民・民主両党の党首がテロ対策特別委や国家基本政策委での論戦をパスして、密室で会談することを厳しく批判し、少なくとも事前事後にその内容を各党と国民に説明すべきだと指摘してきた。国会をそっちのけにした両党首の密室会談で自衛隊の海外派遣恒久法が画策されていたことは断じて許すことができない。
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4. |
「衆参ねじれ国会では法案が通らない」という認識は間違いだ。そもそも衆参両院の存在は「ねじれ」を想定している。政府・与党は、両院での多数を背景に無修正で法案を(時には強行採決で)成立させることに慣れ過ぎ、それが「政治を動かす」ことだと思い込んでいる。「衆参ねじれ」の下では、徹底した審議の中で政府提出法案を修正することが当然求められる。またそれが本来あるべき姿である。現に、最低賃金法改正、労働契約法、政治資金規正法改正案は与野党協議が行われており、被災者生活支援法や障害者自立支援法の見直しも修正協議で成立させることができるはずだ。それでも成立しない法案は、そこまで民意が収斂されていない現れであり、廃案や出し直しが当然である。
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5. |
1990年代以降、日本も連立政権の時代に入った。だが、衆院の選挙制度が小選挙区制を基本としている限り、与野党の第一党同士が連立政権を組むことはできない。だから民主党と小沢氏は、次期総選挙で「政権交代」を目標としてきたし、参院選で国民もそれをある程度期待したのではなかったか。唐突な連立参加の話は、「自民党とは(政策の)8割は一致している」(前原前代表)という民主党の本質と動揺性を表しているのではないか。「平和・自由・平等・共生」を基本理念とする社民党が第3極として存在感を示すことが不可欠だ。
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