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1. |
総選挙を目前にして、自民党は再び「麻生では選挙を戦えない」と醜い足の引っ張り合いを演じている。1年前も「福田ではだめだ」、2年前も「安倍では戦えない」と、本(政策)の中身を変えずに表紙(総裁)を変えて目眩ましした。彼らには、なぜ安倍、福田内閣が1年も持たずに行き詰まったかの反省が全くない。
小泉内閣以来の「構造改革」路線―「大企業や金持ちが儲ければそのおこぼれが国民に回る」という政策―は、おこぼれどころか社会のあらゆる分野に格差を拡大し、国民生活と社会を壊し、憲法理念を踏みにじり、国民の強い不満・批判を増大させたからだ。だから2年前の参院選では与野党が逆転したのである。
彼らは、「振り仮名が 無くても読めよ この空気」という川柳の意味も理解できない。今日、「自民党政治への不満」が85%を超え、「政権交代で政治を変えてくれ」というのが今や国民世論の大勢となっている。
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2.
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改めて、小泉内閣以来の新自由主義「構造改革」が何をもたらしたか。
(1) 日本の大企業は、この6年連続で過去最高益を更新し、株主配当・役員報酬を大幅に伸ばし、資本金10億円以上の大企業は国家予算の約2年分に当たる140兆円もの内部留保・へそくりを貯め込んだ。
(2) しかしその下で、勤労者の所得は10年連続で低下し、中でも年収200万円未満が5世帯に1世帯にも拡大した。これは、経営側の厳しい賃金抑制と、労働者の非正規化が進められて今や全勤労者の34%=1780万人にも増大したからである。
(3) 中小企業者も政府の輸出優先政策や大企業の下請け単価切下げなどで困窮し、 (4) 農林水産業者も輸出優先策の見返りの輸入自由化で、経営難に陥ってきた。
(5) にもかかわらず政府は、年金・医療・介護を次々と改悪し、また自治体への交付税を年5兆円も削って福祉・公共サービスを切り捨て、地方も疲弊させてきた。
このように「構造改革」は、かつて「1億総中流」と言われた格差の少ない社会を壊し、絶望して自殺する人を毎年3万人も生み出し、凶悪犯罪・殺人が多発する荒廃した社会に陥れたのである。こんな政治を転換するのが今度の選挙である。
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3. |
一生懸命働いても貧しくて結婚もできず子どもも作れず、働く人々が使い捨てにされる社会、特に若者の2人に1人が非正規社員という事態は、今やすべての家庭の子供や孫の問題となっている。正に「構造改革」による政治災害である。
国民生活を安定させ、将来に安心を保障する政治の使命放棄の結果である。
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4.
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社民党は、一貫して「格差拡大の経済大国」ではなく「平和で豊かな福祉社会」をめざしてきた。今こそ野党連立政権の中で次の基本政策の実現をめざす。
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(1) |
新自由主義「構造改革」と訣別し、内需主導型経済に転換する。
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(2) |
社会的に拡大した格差を是正し、国民生活と社会保障の再建を実現する。
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(3) |
不公平税制の是正など所得の再分配機能を強化し、財政支出の抜本的見直しで無駄を排除し、財源を確保する。景気後退を招く消費税増税は行わない。
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(4) |
第25条(生活権)、27条(勤労権)、9条(戦争放棄)など憲法理念の具現化を図る。
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5.
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そのためには、与野党逆転の中でわが党の議席増が不可欠である。「政権交代だけでは政治は変わらない。政治を転換するために社民党がどうしても必要だ」と、選挙区候補の支持はもとより比例区・社民党票拡大を眦をけっして訴えよう。
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