2010.4.9

1.  本日、国鉄改革に伴って惹き起こされた1047名のJR不採用問題に関する政府と与党3党及び公明党との間で「和解案」の合意に至った。これによって、23年余の長きにわたる労使紛争が政治解決することになった。
  わが党は、この国家的不当労働行為を一貫して厳しく追及すると共に、国労や闘争団を支援し、一日も早い政治解決に努力してきただけに、今日この日を迎えられたことを関係者と共に喜び合いたい。


2.
 ふり返れば、1987年4月1日に施行された国鉄改革法によって、国労・全動労所属組合員らに対する採用差別が起きた。国鉄の分割・民営化に反対する国労などを嫌悪した当時の国鉄当局は、「組合所属による(採用)差別はあってはならない」との国会決議や「一人も路頭に迷わせない」という中曽根首相の答弁にもかかわらず、「国労や全動労を抜けない限りJRに採用はされない」などと組合員を恫喝して組織を切り崩し、脱退しなかった組合員の多くをJR採用名簿から除外し不採用とさせたのである。
  したがって、救済申し立てを受けた各地方労働委員会や中央労働委員会は、いずれも国鉄の不当労働行為を認定しJRへの採用を命じたのは当然であった。


3.
 ところが、これを不服としたJR側は行政訴訟を提起した。これを受けた裁判所側は、「(組合による差別があったとしても)名簿作成は国鉄が行ったことであり、JRは提出名簿によって社員を採用したにとどまるから、JRは不当労働行為責任を負わない」旨の不当な判決を下した(2003.12.22最高裁)。
  このように、国鉄改革法23条が雇用の責任主体を曖昧にしたため、不当労働行為が明白であるにも拘わらず、被解雇者の法的救済の道が閉ざされたのである。
  これに対して国際労働機構(ILO)は9度にわたり「人道的見地から早急な政治解決」を政府に求め、また東京高裁も判決(2009.3.25)に当たって政治に「早期解決」を求めたのである。


4.
 私は、政権交代の下、鳩山総理に「政治が犯した過ちは政治が正すということが大事だ」(2010.2.4.参院決算委員会)と早期解決を求め、「与党三党が解決策を…しっかりと取りまとめていただいて、それを…政権の思いとして実現して解決をしてまいりたい」と前向きな答弁を引き出すと共に、この間、4党の「解決案」づくりと政府との調整に当たってきた。結果的に、「一人当たり平均2200万円の和解金支払いと政府がJRへの雇用について努力する」ことを柱とする和解案で合意に至ったところである。
  これまでの4者・4団体の苦闘に敬意を表し、最終解決への努力を求めたい。




以 上