2010.8.30

1.  8月27日の党全国代表者会議は、論議の時間的制約から消化不良の感は免れないが、地方幹部の参院選敗北と今後への危機感から、統一自治体選必勝を誓い合って終了した。
 論議では、@敗北の責任をめぐって党首辞任論、総辞職論などが出て常任幹事会の対立が報道され、党員・支持者に不安を与えた。党員に分かるようにせよ。A連立離脱は止むを得なかったが、連立の中でJR問題などのように政治を変えてほしいという期待も強い。今後どうしていくのか、党の立ち位置がハッキリしない。現状は、与党でも野党でもなく中途半端だ。民主党と連立合意の33課題の実現を協議すべきだ。B全国政党としての生き残りをどうするのか。国会議員を獲得する道筋を示せ。比例定数削減となればわが党は消滅する、その危機感が足りない―などが出されたが、論議を深めるに至らなかった。


2.
 わが党は、連立政権の実績と選挙協力によって参院選で「6議席以上」を獲得する戦略を描いた。しかし選挙目前に、米軍普天間基地の移設問題でわが党は政権を離脱した。よってこの戦略は崩れ、選挙戦術の変更もできぬまま選挙戦に突入し、辛うじて2議席確保にとどまり敗北した。これを、「日米共同声明・閣議決定に反対しなければ党は壊滅していた。止むを得なかった」とするのか、「改めて党生き残りの戦略的観点をもって閣議決定回避の努力をしたか、どのように党前進の展望を開くのか」―が深められるべきであった。


3.
 相次ぐ選挙での後退の基本的な要因は、党の基礎体力の弱体化にある。これを克服するために、全党的に『党再建○カ年計画』を策定し、「本気で」実行していくことが不可欠である。併せて明春の統一自治体選挙と総選挙の準備を「本気で」急ぐ必要がある。


4.
 参院比例区の得票から試算すると、衆院選では沖縄を除く選挙区はゼロで、ブロック比例は2議席程度となる。比例区80議席削減ではゼロとなる。つまり解党的危機である。支持労組や市民団体の党離れが進んでいるが、これが一層加速するであろう。
 今日の日本社会に社会民主主義を主張する政党は必要不可欠であり、何としても踏み止まり、反転攻勢に転じねばならない。その場合、全国的な党再建の必死の努力が前提だが、合せて「新自由主義・新保守主義の政治の転換を求める政治勢力と連携し、…緊張感ある連立政権の形成を展望する」との観点(06年『社会民主党宣言』)を踏まえ、民主党などとの選挙協力(すみ分け・相互支援など)を、可能な地域で追求する必要がある。


5.
 これは、与・野党に分かれたままでは困難があり、民主党や国民新党と次の点の合意を条件に閣外協力や政権復帰を協議すべきである。まさに党の立ち位置の問題である。
(1) 米軍普天間基地の移設先は、沖縄県民の世論と3党の意向を十分に踏まえ、海外を含めて見直しを行う。
(2) 最低3年間は消費税率の引き上げを行わず、財政全般の徹底した見直しと無駄の排除で財源確保を図り、国民の生活再建に全力を挙げる。
(3) 衆・参両院の定数問題は、選挙制度のあり方を含め両院で論議を深める。
(4) 憲法審査会は、世論動向を十分踏まえて慎重に対処していく。
(5) 次期臨時国会で、労働者派遣法改正案並びに郵政改革法案の成立を図る。



以 上