|
|
|
|
|
1. |
国会終盤を迎え、6月1日、自民・公明両党は、「民主党の分裂」と「選挙なき政権奪還」を狙い、内閣不信任決議案を提出した。これに民主党から相当数の賛成者が出る可能性が強まり、そうなれば民主党の分裂は決定的になると見られた。
こうした事態を回避するため、菅首相は、ついに2日の衆院本会議前の民主党の代議士会で「震災復興等に一定の目途」がついた段階での退陣を表明した。これによって民主党の深刻な亀裂は回避され、不信任案は否決された。
この退陣表明の意味するところは、「早期(6月末又は7月上旬)退陣」と引き換えに、野党の審議協力を取り付けて震災復興基本法や公債特例法案等の修正・成立を図ることであった。それが、野党との協力関係のもとで次期内閣による本格的な震災復興にかかる補正予算案の提出とその早期成立に資するからでもある。
|
|
|
|
|
2. |
菅首相の退陣表明を受けて、与野党から「大連立」論が噴き出した。
初めに言い出した自民党の狙いは、民主党の分裂を誘って自民党首班の自・公・民連立政権を樹立することであろう。それが実らない時は、民主党との「部分連合」か「閣外協力」を期間限定で行い政策面で大幅譲歩を迫る、あるいは野党のまま民主党政権のさらなるイメージダウンを図り、解散総選挙に追い込んでいく―これらの選択を想定していたのであろう。
他方、民主党側からの「大連立」論は、政権安定のために「自・公両党を取り込んだ責任の共有化」であろう。だがそれは、政策面で自・公両党に大幅譲歩することを意味し政権交代の意義を大きく損なう。またそうなれば衆・参両院で9割の巨大与党が生まれ、国会は「大政翼賛会」となり、改憲内閣となる危険性が大である。
こうした思惑の違いにもかかわらず、現実は民・自・公三党の協調が進んでいる。
|
|
|
|
|
3. |
当面の会期延長問題は、「何をするために、どの程度の期間が必要か」が大事であって、ただ延長しておくというのでは議員が地域において国民の声を吸収する活動の妨げにもなる。国会議員の活動の場は永田町だけではない。
また、既に「辞任表明」で求心力を失った菅首相は、当面の重要課題である公債特例法案や自然エネルギー促進法案等の成立を条件として、早急に退陣時期を明示すべきである。それによって、次期内閣による本格的補正予算や来年度予算編成をし易くすることこそ、退陣表明した菅首相の果たすべき責任である。
|
|
|
|
|
4. |
わが党は、昨年の連立政権離脱後、「三党連立政権の『政策合意』は国民への公約であり、三党の共同責任だ」と菅内閣にその遵守を求め、積極的に政策を提言し協議を求めてきた。これは、民主党が社民党との協力による「衆院での3分の2体制」を目指してきた間は有効であったが、民主党が「大連立」や自・公両党との協調を志向する現状では、ほとんど意味を失った(民主党との接着剤的役割を果たしてくれた国民新党との関係も同様である)。
したがって、わが党は政権を厳しくチェックし、また社民党の政策を鮮明にして政権に実現を要求し、さらに超党派の議員立法化などに努めていくべきであろう。
そのためにも、今日的な重点政策(雇用、社会保障、税財政改革、脱原発など)の大量宣伝と大衆運動を、党再建運動と結合して全党で取り組むことが重要だ。
|
|
|