2011.6.29

1.  私は、昨年4月9日、国鉄改革に伴って惹き起こされた1,047名のJR不採用問題で政府と与党(民主党、社民党、国民新党の3党)及び公明党との間で「和解案」の合意に至り、23年余の長きにわたる労使紛争が政治解決することになったことを、「関係者と共に喜び合いたい」とメッセージを出した。
 その中で私は、「一人当たり平均2,200万円の和解金支払いと政府がJRへの雇用について努力する」という和解案で合意に至った「これまでの4者・4団体の苦闘に敬意を表し、最終解決への努力を求めたい」と締めくくった。それは、社民党を代表してこの問題に当たってきた私自身の決意でもあった。


2.  しかしその後、この雇用問題は遅々として進展しなかった。それは、国土交通大臣以下政務三役全員が代わり、また民主党執行部も交代したこと、さらに4党のJR問題の担当者が私を除いて代ったことなどに起因する。
 そのため、改めて4党の担当者と4者・4団体の間で、「和解案」成立に至る経過と、当面、政府に「政府はJRへの雇用について努力する」という合意の具体化を求めていくことを確認し合った。だが、その後も民主党内ではこの問題の認識統一が図られず、時間だけが経過していった。


3.  しかし、何としても2010年度内に解決を図らねばならないことから、わが党は、次の2点について対処していくことにした。
 一つは、赤字会社であるJR北海道・四国・九州及びJR貨物での雇用受け入れの環境整備として国の財政援助を明確にすることである。わが党は、11年度予算編成の中で政府・民主党と、向こう10〜20年間に無利子貸付・助成金・貨物調整金などで総額6,990億円の鉄道関連支援策を採ることを確認した。
 いま一つは、国会で政府に合意事項の履行を迫ることである。大震災で遅れたが、4月25日の決算委で私はこの問題を取り上げた。だが驚いたことに、「政府はJRへの雇用について努力する」という政府の主体的努力の合意が「具体的な要請が関係する政党側からあれば政府として適切に対処してまいりたい」(菅総理、大畠国交大臣)にすり替えられていた。これでは政治主導どころか従来の官僚の作文どおりである。残念ながら民主党もこれを押し返す姿勢がなかった。


4.  6月13日、国交大臣政務官がJR各社に3党の意向を「取り次いだ」が、JR各社は最高裁判決(JRに雇用責任なし)を盾に、不採用者の雇用を拒否した。大株主の政府の支援を受けながら、その要請は蹴るという不遜な態度であった。
 こうした事態を受けて、6月24日、国鉄闘争原告団・共闘会議は、これ以上時間をかけても進展はないと判断し、やむなく闘争終結を確認するに至った。
 「政治が犯した過ちは政治が正すことが大事だ」(10.2.4.参院決算委:又市)と私なりに頑張ってきたが、状況を変え得ず、かえすがえすも残念である。

   

以 上