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1. |
発足から5か月半、野田内閣の支持率はつるべ落としに下がり続けている。2月の各種世論調査の平均では、支持が28%、不支持が54%程度となっている。
それは、政権交代の期待に背き、自民党政権でさえできなかった次のような反国民的な新自由主義的政策のオンパレードだからである。
- 「震災復興」に便乗して、所得税は25年間で、住民税は10年間で合計8.1兆円の増税、法人税は3年だけ2.4兆円増税しその後5%恒久減税して差し引き法人税は25年間で10.8兆円の大減税を断行
- 「社会保障と税の一体改革」と称しながら、あるべき社会保障制度の全体像も示さず、また低迷する経済状況も省みずに消費税率を10%に倍増する計画
- 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した場合のメリットやデメリットとそれに対する国内対策を何ら説明もしない(できない)まま関係国との協議を開始
- 「脱原発」を求める約8割の国民の意に反して、原発事故の原因究明と対策も不十分なまま原発の再稼動(存続)をめざし、かつ海外へ輸出する協定を締結
- 非正規労働の拡大に歯止めをかけ雇用の安定を図る労働者派遣法改を骨抜きにし、国民の利便性を確保する郵政改革にも消極的姿勢
- 物価や賃金が下落し続けるデフレ脱却どころか、憲法と国公法に違反する公務員給与の大幅削減でデフレを助長する姿勢
- 依然、米国の軍事戦略に追従して、沖縄県民を無視する米軍普天間基地の辺野古移設に固執し、「専守防衛」の国是に反する武器輸出三原則の緩和の姿勢
- 自民・公明などの求めに応じて憲法審査会の始動に同意…など。
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2. |
野田内閣のこのような諸政策は、自民・公明両党の政策と酷似しており、事実上、この3党による国民不在の談合政治、翼賛的政治が進行している。表面的な与野党対立は、国民目線に立った政策論争によるものではなく、自民・公明両党が参議院の与野党逆転をてこに大臣の失言追及など揚げ足取りに終始し、政局的な政権奪還を目指しているからに他ならず、そのために政治の停滞が生まれているのである。
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3. |
こうした状況の下で、国民は一向に生活が改善されないばかりか将来展望も持てない政治に不満・不信を募らせ、また閉塞感を打開できない既成政党に批判を高めている。そして民主党内の路線対立も表面化し、今や「自民党はダメだが民主党もダメだ」が世論の大勢となり、新党結成・政界再編に期待する声が広がっている。それが、大衆運動が低迷する下で、極端な大衆迎合的政策(内容的には新自由主義)を主張する「維新の会」や「石原新党」などに向かう危険な傾向を示している。
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4. |
かかる情勢の下で、新自由主義政治への政策的対抗軸を明確にし、その実現を目指す新たな政治勢力・革新勢力の結集と国政での発言力の増大が不可欠である。
新たな政治勢力・革新勢力とは、民主党や自民党などの市場経済至上主義に立つ新自由主義政治に反対する民主的でリベラルな政治グループ、労働運動と働く人々、脱原発や環境保護・食の安全を求めるグループ、護憲・反基地・平和運動のグループ、さらには社会の進歩と改革を担う学者や文化人たちである。
今こそ社民党は、中央・地方でこうした新たな政治勢力・革新勢力の結集軸の役割を担って奮闘し、その中で自らの前進を果たさねばならない。(1330)
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