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私は、社会民主党・護憲連合を代表して、民主・自民・公明三党の衆議院議員提案による「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案」に反対する立場から討論を行ないます。
公務員の労働基本権は、戦後の民主化・平和憲法・労働者の権利全般とともに確立しましたが、1948年のGHQ指令に基づく政令201号によって制限され、現在に至っています。
したがってわが党は、憲法第28条の規定と国際労働基準を踏まえ、公務員の労働基本権を一日も早く民間労働者並みに回復し、給与等の決定を当事者の交渉によって決定できる制度を実現すべしと、一貫して求めてきました。
しかし、これまで政府は、労働基本権を制限した代償措置として民間賃金準拠の人事院勧告があり、それを実施しているから憲法違反に当たらないとかわし、私たちの指摘やILOからの度重なる勧告を退けてきました。
ところが、今般、政府は人事院勧告を受けた自らの責任を放棄して法案を棚上げし、そして提案されている議員立法案は、この人事院勧告の内容を大幅に切り下げるものです。これは国家公務員法第28条と憲法第28条違反のそしりを免れません。
だとすれば、労働基本権を回復して自律労使関係確立に転換することこそが今必要なことであり、当然の法論理です。そうでなければ、公務員労働者は一方的給与切り下げに何の救済措置もなく、無権利状態に落とし込まれるほかありません。それでは法治国家の名が泣きます。このような憲法違反を国会が犯してはならず、敢えてそれを強行すれば、ますます今日の政治不信を助長するほかありません。
したがって、「給与を削減するのであれば国家公務員制度改革関連4法案とセットの成立が必要だ」と求めてきた組合側の要望は、至極当然のことです。
しかし、その4法案が未だ審議入りのめどさえない中で、本法案を本日、本委員会で採決することには断固反対します。「自律的労使関係の先取り」を呼びかけながら、組合側をだまし討ちにするようなことを、政府も国会も断じて行うべきではありません。
重ねてもう一度、われわれ国会議員が国家公務員法や憲法違反に手を染めてはなりません。少なくとも公務員制度改革4法案の成立を待って、改めてこの法案を検討すべきであることを訴え、反対討論といたします。 |
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