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1. |
国会は、4月20日に参院が前田国交、田中防衛両大臣の問責決議を可決して以来約1月、空転を続けている。政府・民主党が問責決議を無視しているからだが、一方で自民党が全委員会の審議を拒否しているからでもある。そのため、高速ツアーバス事故、竜巻災害、原子力規制機関の設置をはじめ懸案の課題の審議が何一つ進まないのである。二大政党の政治ゲームの犠牲者は国民なのだと自覚すべきだ。
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2. |
野田首相は、消費税増税法案の「今国会での成立に政治生命を賭ける」と決意を表明した。その実現ために首相周辺は、民主党からの大量造反と参院の与野党逆転を念頭に、早期解散を求める自民・公明両党に法案成立の協力を働き掛け、応じてくれれば国会会期末の解散を検討する、もし非協力であれば9月の民主党代表選挙(首班交代)直後の解散もあり得るとの構えで協力取り付けに動いている。
対する自民党などは、早期解散・総選挙であれば勝算があるが、民主党代表選後では内閣支持率の上昇で勝てないと見、何としても早期解散に持ち込みたい。そこで、首相が小沢氏らを切っても三党で法案を成立させる決意があるのか、また総選挙後には三党大連立に踏み込む用意があるのか―腹の探り合いが続くであろう。
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3. |
他方、民主党では、内閣と党の支持率が低迷する下での早期解散・総選挙は敗北必至で、まして党分裂選挙では壊滅的であり、自公政権を復活させるだけだとの見方をする人々が、党の分裂と早期解散を回避するため、一体改革法案を秋の臨時国会に送ろうと動くことは当然である。
だが、それでは野田内閣の命脈が尽きることになるため、首相周辺は党の分裂を賭しても自公の協力を得て、若干会期を延長しても法案を成立させたい。とすれば、当然、総選挙後の三党大連立含みとなろう。つまり、「民自公協力と解散」をめぐる民主党内の綱引きが激しさを増さざるを得ない。最近の輿石幹事長の「来年の衆参ダブル選挙」発言は、首相周辺の「話し合い解散」論を牽制したものである。
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4. |
そもそも野田内閣が生命を賭けるべきは、消費税増税ではなく、1)東日本大震災の復旧・復興、2)福島原発の収束と除染、脱原発・自然エネルギーの飛躍的拡大、3)デフレ脱却・景気回復、4)雇用の創出と安定や本来の社会保障制度拡充などにあるはずだ。しかし、官僚主導に踊る野田首相は、消費税増税以外は眼中にない。
だが、「政治は生き物、一寸先が闇」である。国民生活は一向に改善されず、消費税増税、原発再稼働、TPP参加などに対する国民の不満・不信は強く、野田内閣と民主党の支持率は低落の一途である。野田内閣が「話し合い解散」に応じない場合、これを背景に野党が内閣不信任決議や問責決議を提出すれば、小沢グループなどの動向次第では、可決する可能性もある。となれば「話し合い解散」前に「内閣不信任解散」もあり得る。その場合、民主党は分裂する。
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5. |
以上が、我々が会期末解散・総選挙と見立てて総選挙の準備を急ぐ所以である。
だから、1)公約違反の消費税増税反対、2)原発再稼働阻止、脱原発・自然エネルギーの飛躍的拡大、3)市場原理主義のTPP参加反対、4)雇用の創出・安定と生活再建などの大衆宣伝と大衆運動・集会等を、いま取り組むことが大事なのである。
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