2012.10.24

1.  先の国会で、民・自・公三党は消費税増税法を強行成立させた。これは、税率を「2014年4月に8%、15年10月に10%」へ引き上げる内容で、民主党のマニフェスト違反であり、「国民の生活が第一」との訴えに期待した国民への裏切り行為である。
 社民党は、「税と社会保障の一体改革」と言うなら、憲法25条に基づいて「老後に安心できる年金・医療・介護、子育て制度」の具体化と、それを実現するための必要財源を明らかにし、これを国民や企業が「応能負担の原則」に基づいてどう負担するかを示すべきだと追及してきた。しかし三党は、社会保障改革はすべて先送りし、消費税増税だけを先行させたのである。
 今度の総選挙は、こうした国民生活無視の民・自・公三党を許すかどうかの国民投票である。


2.  わが党が消費税増税に反対する第一の理由は、さらに景気を悪化させるからである。
 給料や年金が下がり続けているデフレ状況の下、来年1月からの震災復興増税(所得税と住民税合せて約8.1兆円〈25年間〉)の増税に加えて消費税が倍増されれば、さらに可処分所得が平均約30万円も減り、個人消費は低迷し、内需と景気をもっと後退させる愚策だからだ。


3.  第二の理由は、高所得者や大企業優遇の不公平税制が放置されているからである。
 国税収入は、1990年度の約63兆円が2010年度に約44兆円と約19兆円も減少した。これは、所得税の最高税率70%が40%に、また法人税の最高税率43.3%が30%に政策的に引き下げられてきたからだ。また消費税導入以来、23年間に国民が納めた消費税総額は238兆円に上るが、同じ期間に行われた法人税減税は223兆円。つまり消費税収入は大企業の減税に使われたのである。その結果、資本金10億円以上の企業の2010年の内部留保は260兆円を超えている。にもかかわらず野田内閣と自公は今年4月、法人税を5%引き下げた。こうした大企業や金持ち優遇策の見直しこそ最優先すべきではないか。


4.  第三の理由は、野田政権の歳出削減や無駄排除の改革が極めて不十分だからである。
 社民党は、@不要不急の事業の削減・先送り、A原発予算や防衛費・米軍への「思いやり予算」の削減、B特別会計の剰余金等の活用、C国から補助金などを受ける法人等の支出見直し、天下り役員の削減、Dそして所得税・相続税・資産課税等の累進性強化…などで年間数兆円の財源が確保できると提案してきたが、ほとんど手つかずである。社民党は引き続き歳出削減や無駄の排除に取り組んでいく。


     
5.  「消費増税が国会で決まってしまったから」とあきらめてはいけない。再来年の4月からだから、まだ十分に間に合う。消費税増税に反対する政党が総選挙で勝利することで撤回できる。
 社民党は消費税増税に反対する野党に働きかけ、次の国会に「消費税増税廃止法案」を提出することで合意した。不公平税制の是正を棚上げして取りやすいところから吸い上げる庶民いじめの消費税増税を廃止し、国民生活を再建するために、社民党は全力を挙げて闘う。


     

以 上