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今回の総選挙総括は、全国連合として総括の柱を提示し、これを基にした都道府県連合からの総括提起を踏まえて1月末までに党の総括をまとめる予定である。党員はじめ多くの皆さんのご協力ご支持にもかかわらず惨敗したことを深くお詫びしつつ、来夏の参院選の前進に向けた総括運動としたい。以下は私個人の思いである。
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【選挙の結果】 |
(1) |
わが党は、前回の比例区得票300万票を142万票(47%)に半減し、改選前の6議席を2議席に減らし、結党以来最大の危機を迎える結果となった。 |
(2) |
民主党は、前回の比例区得票2980万票から920万票(30%)に激減した。その結果、前回の308議席を57議席(12%)に減らし壊滅的大惨敗となった。3年前の政権交代への国民の期待を裏切った代償の大きさを示している。 |
(3) |
自民党は、前回の比例区得票1880万票を220万票減じたものの、前回の119議席を294議席(240%)に伸ばし、公明党の31議席と合わせて衆院の3分の2以上を獲得した。しかし、現行選挙制度のお陰で比例区得票率が27.6%で全議席の61.2%を獲得したものであり、自民党は決して国民多数の支持を得てはいない。 |
(4) |
極端な新自由主義政策と改憲を唱える維新の会(54議席)とみんなの党(18議席)が躍進した。国民の政治不信と閉塞感に巧みに付け込み、両党合わせて比例区得票は自民党を上回る1750万票(29%)に上った。 |
(5) |
未来の党は、改選前の61議席を9議席(15%)に減じた。「脱原発のリーダー」的イメージを打ち出してわが党や共産党支持層の一部を取り込んだが、逆に「国民の生活が第一」の保守的支持層を失ったと見られる。 |
(6) |
共産党は、299の小選挙区に候補者を立てて議席倍増を図ったが、前回の比例区得票494万票を368万票(74%)に減らし、9議席を8議席に減じた。 |
(7) |
なお、「自民党もダメだが民主党もダメ」の意識の広がりが、10%の投票率低下(59.3%)と、維新の会やみんなの党の躍進につながったと見られる。
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【総括の視点】 |
(1) |
小選挙区の候補者擁立が遅れ、かつ前回の31名から23名に減った。 |
(2) |
「10000箇所街頭演説」、反消費増税などの署名活動、大衆集会・時局講演会など事前運動の不十分さから「党の見える化」は十分果たされなかったのではないか。 |
(3) |
社会民主主義政党として最も依拠すべき労働組合・労働者に対し、日常的な交流と論議不足に加え、選挙公約・政策の浸透も不十分ではなかったか。 |
(4) |
だから、脱原発、反消費増税、反TPP、格差是正、護憲などの争点の中身も深めた訴えとなり得ず、スローガン倒れに終始していなかったか。 |
(5) |
こうした状況の下で、選挙直前の幹事長の病気・不出馬や政審会長の離党によるマイナスからの選挙戦スタートを余儀なくされた。 |
(6) |
「党再建3か年計画」の途上であり組織力・行動力の低下は否めず、また集票活動の先頭に立つ地方議員も選挙事務所回しに追われていなかったか。 |
(7) |
現行制度の下での議席増の戦略は一部の選挙区を除き比例票拡大であり、小選挙区の闘いはその拠点と位置づけられるが、比例選重視になっていたか。 |
(8) |
そして、例えば8党が「脱原発」を、6党が「消費税増税反対」を掲げる多党乱戦の中でわが党の差別化が困難となり、共食い現象・政策実現力への期待から未来の党などへの支持票の流動化が起こったのではないか。また景気・雇用対策や改憲問題の統一的宣伝も不十分ではなかったか。
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【今後の政治状況と党の課題】 |
(1) |
自公政権は、来夏の参院選での安定多数確保を目指し、当面、景気回復のための公共事業を中心とした12年度の大型補正予算と13年度予算を打ち出し、政権の「安全運転」を心掛けよう。これに対してわが党は、正規雇用増や賃上げによる個人消費の拡大での景気回復策を、労働組合にも呼びかけ大衆運動を喚起しながら、追及していく。 |
(2) |
継続課題である脱原発基本法案、消費税増税廃止法案の制定、TPP参加反対の野党共闘を、参院を中心に構築していく。 |
(3) |
自民党は、衆院で明確な改憲派が75%以上を占めた現状を踏まえ、参院選後、集団的自衛権の行使(解釈改憲)、改憲発議に必要な衆参両院の3分の2条項(96条)の改正を皮切りに、憲法の全面改正に向けて強行路線を取るであろう。したがって院内外での改憲阻止戦線の構築を図っていく。 |
(4) |
こうした闘いと合わせて、参院選では現状の2議席以上を死守しなければならない。衆院比例での得票数(140万票)からして、参院選で1議席も獲得できない可能性もある。改憲阻止、格差是正、社会保障拡充を前面の押し出し、全党の英知と奮起でこの危機を打開していく。 |
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