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安倍首相が、6月5日の成長戦略第3弾の発表会見で、「海外経済にも恵まれて、成長シナリオを実現できれば、一人あたりの国民総所得は、最終的には年3%を上回る伸びとなり、10年後には現在の水準から150万円増やすことができる」と語ったことなどについて、私は6日の定例会見で、「参院選対策用の大風呂敷の作文」だと批判した。
それは、第1に、「成長シナリオを実現できれば」の前提条件付きだが、安倍内閣が現に行っているのは、公務員賃金の大幅削減、生活保護の切り下げ、物価2%アップ、消費税3%増税など「デフレ」政策であり、「成長シナリオ」は実現できないからである。
第2に、「国民総所得は年3%伸び、10年後には150万円増やす」と言うが、国民総所得(GNI)とは「日本企業や国民が国内外で得た所得の総額」であって、決して「国民一人当たりの年収」ではないのに、年収150万円増の幻想を与えているからである。
第3に、前述のように、当面、物価を2%アップさせ、消費税を5%引き上げれば、「国民総所得が年3%伸びる」ことなどあり得ず、むしろ国民の可処分所得は低下する公算が大だからである。 |
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A |
ところが、安倍首相は、案の定「私たちは10年間で平均年収を150万円増やす」と宣伝し始めた。目前に迫った都議選向けの8日の遊説で、「10年間で皆さんの年収は150万円増えます」などと訴えたのである。報道によれば、6か所で演説を行ったが、2か所で「年収」と述べたほか、「平均年収」「1年間の収入」「国民の平均の所得」「皆さんの所得」と説明がクルクル変わったという。まさに「選挙向けの大風呂敷」という他ないが、大騒ぎする安倍内閣の「成長戦略」なるものの本質を表していると見るべきだ。
かつて2005年の「郵政解散・総選挙」で、時の小泉首相が「郵政を民営化すれば、経済も財政も、外交も防衛もすべてうまくいく」とふれ回って自民党が大勝したように、国民はまんまとだまされた格好だが、安倍首相もこれを念頭に「柳の下の2匹目のドジョウ」を狙っているのであろう。 |
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B |
参院選公示まで23日、投開票日まで40日となった。
安倍内閣の諸政策は、1%の大企業と金持ちを優遇し、99%の国民と中小企業、農民切り捨て政治であり、また「国家権力を規制して恒久平和と国民の基本的人権を保障する憲法を破壊し、『戦争のできる国』に変え、人権を抑制しようとするものである。
主権者国民への挑戦であり、こうした歴史の逆行を断じて許してはならないと、声を大にして訴え続け、わが党と私自身の勝利に向けて闘い抜きたい。 |