2020.12.22

 去る11月14日、社民党の臨時全国大会は、「立憲民主党からのよびかけに対しては、その趣旨を十分理解しつつ、この間の党内議論と共通認識を踏まえ、『社会民主党を残し、社会民主主義の実現に取り組んでいく』という選択と同時に、『「よびかけ」に応えて、立憲民主党へ合流し、社会民主主義の継承・発展をめざす』という選択のいずれも理解し合う」とした議案を賛成多数で可決した。党全体がまとまってどちらかを選択することにならず、残念ながら“分党”することになったが、「これからも、…社会民主主義の継承・発展をめざす社民勢力の同志として」、同じ目標に向かって行動していく、と付記している。
 蛇足だが、福島党首は大会冒頭の挨拶で、この苦渋の議案を提出せざるを得なかった経緯や党首としての責任には全く触れず、のっけから「社民党は解散、合流の道を選択しない。社民党は存続する。…躍進を進めていく」と、議案とは異なることを声高に叫び、党首自ら党内対立や混乱をあおった。私には、福島氏がこれまで党の再建・再生案を提示した記憶がない。それが先決ではないか。厚顔無恥のそしりは免れまい。
     
 さて、一方の選択肢である「社民党を残す」とは、単に党名が残ることではなく、総選挙で「5議席以上、全国得票率2%以上」を確保して「国政政党として残る」ことを意味する。そのためには「九州では小選挙区プラス比例区で4議席、東北では比例区1議席の獲得をめざし、両ブロックの各県連合は必ず候補者を擁立する。他の県連合は1名以上の候補者擁立をめざす」方針を全党で確認してきた。私自身「その目途が立つならば立憲民主党(以下「立憲」と略す。)との合流を検討する必要はない」と、定期大会でも強調してきた。しかし、11月の臨時大会に至るも候補予定者は二ケタに届かず、大きく立ち遅れている。
 振り返れば、この20年間、全国の奮闘にもかかわらず党勢は国会議員が衆・参27人から4人へ、地方議員と党員も4割前後に減るなど後退が続いてきたが、このまま総選挙を迎えれば現状の2議席も得票率2%の確保も困難となり、国政政党の要件を失う。つまり、国政政党として存続は困難に陥る、と見ざるを得ない。
     
 党がこのような事態にある中、19年12月6日、立憲の枝野代表が国会で共同会派を組んできた2党2会派に対して「安倍政権に代って政権を担いうる政党を築き上げ、政権交代を現実のものとするため」に合流をよびかけた。政党が違えば理念・政策・運動に違いがあるのは当然だから、わが党としては、両党が協議して合流が可能か否かを見極める必要があると考え、幹事長同士の協議を行った。その一定のまとめが『社会新報』版の討議資料などである。
 立憲と合流する中でも社会民主主義の理念や政策、運動を継承・発展させていくことは可能であり、また求められる「社民・リベラル勢力の大きな共同戦線党づくり」に踏み出すことにもなり得ると判断できる。
     
 社民・立憲両幹事長の取りまとめの評価としては、以下のとおりである。
 第1に、両党の基本理念・政策は大筋で一致する。特に19年5月に立憲野党と市民連合が13項目の政策合意を行った〔改憲阻止・9条改悪反対、安保法制・共謀罪法廃止、辺野古新基地建設中止・普天間基地の早期返還、実効性ある避難計画の策定や地元合意のない原発再稼働は認めず、最低賃金1500円など〕。立憲はこれを党の政策とすると公表し、これまでの民主党・民進党と異なるリベラル色〔革新的・進歩的性格〕を鮮明にした。そもそも社民党が社会民主主義政党であることを十分承知の上で合流がよびかけられたのであるから、いわば「社民・リベラル勢力の大きな共同戦線党の構築をめざす」ものと積極的に受け止め、努力する必要がある。そのためにも、社民主義の理念・政策、運動の研究・継承と共に、運動の情報交換・経験交流などを進める「社民フォーラム」(仮称)の設置が不可欠である。
 第2に、立憲はこれまで社民党が「平和フォーラム」などと取組んできた護憲、反戦・反基地、原水禁・脱原発、反差別・人権擁護などの大衆運動にかかわる実態がなかった。合流後は社民グループ(社民党員だったグループ)が引き続きその運動の中心を担いつつ、立憲全体の取り組みに高め、発展させねばならない。
 第3に、立憲は3年前の結党の経緯から、一般の党員と地方組織に支えられる姿に欠け、また機関紙・誌活動も不十分など課題も多い。この点は社民党が長年のノウハウを持っており、また組織の現状から社民グループが地方組織の中心を担う県も相当あると見られる。社民・リベラル勢力の強大な共同戦線党の構築の観点から、お互いに足らざる点を補い合うことである。なお、部分的には旧民主党時代の認識の議員・党員も存在するだろうから、新綱領・政策の論議や大衆運動の実態から共通点と理解を広げる努力が必要だ。
 第4に、かつて社民党と支持・協力関係にあった労組は、「産別要求前進のために、当選確率の高い政党」として民主党を、あるいは立憲を支援する方針に変わってきた。次回総選挙では選挙区はもとより「比例区・社民党」で支援いただく労組はほぼなくなる。合流によって、この“垣根”がなくなり、社民グループからの候補者擁立も現実化させることができるし、本来あるべき党と労働組合の協力関係を前進させることができる。
     
 長年、社会党・社民党員として頑張ってきた同志の中には、立憲への合流はよその党へ行くような寂しさを感じる方があるかもしれない。しかし、次期総選挙後1〜2年で社民党が国政政党でなくなり存続が困難な現実を想定せざるを得ないもとで、組織的に「社会民主主義の理念・政策、運動を継承・発展させていく」ために合流を選択し、「社民・リベラル勢力の大きな共同戦線党づくり」を進めようというのである。一人でも多くの党員がまとまってこれに参画いただきたい。そして当面、「9条改憲・戦争ができる国づくり」をめざす改憲勢力を衆院で3分の2を割らせ、次いで政権交代に向けて、皆さんの豊富な経験を活かし共に闘っていただくよう心から要請したい。
       

以 上